Murder for Two@世田谷パブリックシアター 12th, June, 2016
余りによかったので、レビュー書くのが遅れるという本末転倒ですが、
この舞台、今年のナンバー1だから!(個人的見解)
松尾貴志と坂本昌行の二人舞台なんだけど、二人で演じるのが13役で、そのうち10人は坂本担当という無茶っぷり。
これ、オフブロードウェイの作品だそうで、とにかく脚本がすごくよくできている。
主演二人は演じるときもあれば、素のままの二人のときもあって、現実と虚構を行ったりきたりするのにくわえて、ひとりが10人を演じるわけだから、そのスピード感たるや、半端ない。
ストーリーは一応、ミステリー。
或る夜、パーティに集まった客たちのなか、その家の主人が殺害され、たまたま通りがかったうだつのあがらない刑事(松尾)が、犯人をつきとめようとする。
そこには大学生で犯罪心理に興味のあるステファニー(坂本)がいて協力を申し出るが、容疑者である被害者夫人(坂本)、元バレリーナ(坂本)、かわいい子供たち(坂本)が入り乱れて大変なことに…って全部坂本昌行じゃん!
演じ分け、完璧でした。
もう台詞言わなくても姿勢だけ、視線だけ、それだけで今どの役をやっているのかわかりました。
さぞかし疲れたことでしょう(いきなり同情)
でも再演して(真顔)
すっごいすっごい疲れると思うんだけど、私はこれをもう一回観たいし、
何より、今回観られなかった普通の演劇ファンの方々に観てもらいたい。
サイコで、クレイジーで、大爆笑の兎に角最高に素晴らしい作品。
ちなみにチケットが取れたのが千秋楽だけだったんですけど、
なかなか帰ろうとしない興奮さめやらぬ観客に対して、
数度のカーテンコールのあと、坂本くんがばたんと(セットの)扉を開けて出てきて言い放った渾身の
「以上!!」((c)厚切りジェイソン)
が坂本くんのやりきった感をみごとに表してました。
拍手!