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『美女と野獣』についての雑学(1)

2016年度版の、と言えばいいのか、それよりかはディズニー実写版と言った方がとおりがいいのか、とまれ現時点で最新の『美女と野獣』を観てきたついでに、私の人生における美女と野獣にまつわるアレコレで得た雑学というか、まあ、無駄知識なんですけど、感想代わりにおいておこうと。

映像版が何バージョンもある『美女と野獣』というのは、そもそも原作からしていささか複雑な成り立ちになっていて、ボーモン夫人版というのがいちばん世に知られている原作である。

実はその前に、えらい長い、ガチで長いバージョンがあるらしく、これが大元。

でも、一般的にはそんな長い童話があってもねえということなのか、ボーモン夫人版が原作となっている。

私はボーモン夫人版の原作しか読んでいないので、そこがベースの知識になるんですが、これがディズニー版とはとても違うので、ディズニー版しか知らないひとのためにさらっと書いておきます。さらっと、というのは今手元にない原作を確かめもせずウロ覚えで書くということです。記憶違い許して。つか気になる人は原作読んで。

 

昔、裕福な商人が3人(くらいだったか)の息子と3人の娘とパリに暮らしていた。

母は亡くなっていて(たぶん。記憶がない。いたか?いたとしても存在感は薄い)、商人と息子たちは、娘たちを甘やかしまくって大事に育てていた。

上の二人は甘やかされるがまま、傲慢な女性に育ったが、末の娘だけはまっとうに育ち、家族を大事にする良い子だったうえに、ベル(美女)ちゃんと呼ばれるほどに美しかったので、姉ふたりはこの妹を好いていなかった。

ある日、商人の船が嵐で全て難破してしまい(輸出業ってことかな)突然破産してしまった一家はパリを捨てて、田舎町に引っ込むことになった。

怒れる姉ふたりはパリでの優雅な生活を夢見て、嘆き悲しむだけ。

一方のベルちゃんは貧乏な暮らしによくなじみ、姉と父の面倒を見て、よく働き、村人たちからも親しまれる存在に。

そんなベルちゃんを兄のともだちの一人が好いているが、とうのベルちゃんはお父様のもとから離れやしませんと拒んでいた(確かそんな感じ)。

ある日、難破したと思っていた船が1隻だけ無事であったとの知らせが入り、姉は狂喜乱舞、父も喜んでさあパリに言ってくるよ、おまえたちはお土産に何が欲しい?

姉たちは当然値の張るものを頼んだが、ベルちゃんは、お父様、私は薔薇いち輪で構いません。そんなものでいいのかい、もっとおねだりしてごらんと迫る父に、薔薇いち輪と頑固なベルちゃん。

今気付いたんだが、こんなに頑強に薔薇をねだらなければ以下略。

そして父はパリに行くが、頼みの綱であった船の積荷は財産にならず(ウロ)、傷心のまま帰途についた。当然姉の頼みごとはひとつとしてかなえられず、その帰り道、迷い込んだ城で、あるじを見ぬまま、ひと晩の宿と食事を得た。

帰りに城を出るときに、そこに咲いている一輪の薔薇を見た父は、そうだベルちゃんのお願いくらいは、とその薔薇を手折った瞬間、野獣があらわれ、おれの一番大事な薔薇を(以下略)

あとはだいたい同じ(飽きた)

ちょい違うのは、えーっと、姉の妨害工作とか色々入るところかな。

あと村人が大挙して城に押し寄せたりってのもありません。

ベルちゃんがお父さんが病気なのを魔法の鏡で見て、1週間だけおうちに帰してと野獣に頼み、1週間を過ぎれば俺は死ぬことになるといわれ、もうそのときには概ねカップリングが成立していたので、もちろん戻りますともとおうちに帰るんだけども、

お姉ちゃんたちがあれやこれやと策をろうして、結局帰るのが遅れて野獣が死に掛けているのを鏡で見て慌てて帰って愛をうちあけ、野獣の魔法が解ける、そんな話です。

ちなみに、カップとかキャンドルとかは喋らない。

この原作のいいところは、毎晩野獣が、俺のことを愛しているかとたずねるんですよ。

ベルちゃんはこれさえなければ毎日が楽しいのになーなんて思いながら、いいえと答える。

この繰り返しがなんかいい。

奥ゆかしくて、しつこいようで、しつこくない的な。

すっごい長くなってきたので次回に続く。