兄弟モエ属性の人に薦める神映画2本!
兄弟モエと言えば、色んな映画があるわけですよ。
「ロード・オブ・ザ・リング」のボロミア、ファラミア兄弟とかね。あれはなんだろうね、かわいくてけしからんよね。
「処刑人」のコナーとマーフィーに関しては、あれはエロくてけしからんかった。
「スーパーナチュラル」のディーンとサムは……あれはもうなんていうかなー、兄弟っていうかなー、もうなー、正直いちゃつきすぎて意味がわから(以下略)
とまれ、私的に、これ観てるひと絶対少ないけど兄弟モエの人に絶対見て欲しい!!映画を紹介するというよりは押し付けたい。
なんならDVD持って押しかけたい。
そんな2本を紹介したいと思います。
1.「DUST」2001 UK | Germany | Italy | Republic of Macedonia, directed by Milcho Manchevski
「ビフォア・ザ・レイン」でマケドニアの英雄となったマンチェフスキー監督の第二作目にして問題作、「ダスト」
主演はデヴィッド・ウェンハム(ここでもファラミア!)とジョセフ・ファインズ。
デヴィッドが兄ルークを、ジョセフが弟イライジャを演じています。
物語は黒人男性が老婆の家に強盗に入ったところから始まり、思いのほか乱暴モノの老婆が黒人男性になかば強引に話して聞かせる物語がルークとイライジャの物語。
かつて乱暴者の兄ルークと、心優しい弟のイライジャは二人で暮らしていたが、イライジャはフランスから流れてきた娼婦と恋に落ち、結婚する。その一方でルークは彼女に手を出していて、彼女が弟ではなく彼に本気になると彼女を捨てて旅に出る。そのことを知った弟は、兄を猛追撃。
心優しい弟が拳銃片手に「絶対ぶっ殺す」と兄貴を追いかける物語と化す。
凄いっしょ。
もうこの弟の兄への執着が異常。
どんどんズタボロになっていく兄貴の美しさも異常。
物語は多重化していき、「語られてこその物語」という結論に帰着するんだけど、たぶんこの結論には、そうとう深い背景があって、
それこそ「ビフォア・ザ・レイン」でマンチェフスキーが描いた語られない歴史とは、とか、
マケドニアあたりの歴史的背景や政治情勢とか、宗教観とか、
色々織り込まれている一回観ただけじゃ足りない系の傑作なんですけど。
なんですけど!
でも兄弟モエが凄すぎてなんだかもうわかんない!
弟が世界の果てまで兄貴をぶっ殺しに行くとか、どんだけなの。
このわけのわからない兄弟愛を作り出してしまったマンチェフスキー先生いわく、
「僕、兄弟いないからよくわからないんだよね」
そんな監督の指揮のもと、6人兄弟の末っ子デヴィッドと、8人兄弟の末っ子ジョセフが繰り広げるとんでもない愛憎劇。
個人的にはデヴィッドの肺から出る咳を全力で推したい。不毛な土地で埃と砂にまみれて血を吐くシーンは実にエロく美しい。
散々ふざけたこと書いてしまいましたが、本当言うとちゃんとした傑作映画なので、真面目に語ろうとすればいくらでも真面目に語られる深さがあります。
でも!それを越えたジョセフの熱い愛憎が!!
僕らの心をじったんばったんさせるわけですよ!
↓荒くれ者の兄貴ルーク役のデヴィッド、めちゃくちゃカッコイイ
↓怪我属性の方にも全力プッシュできる
↓普段は実の兄貴(レイフ)に甘えん坊さんなジョセフが独占欲剥き出しで追いかけてくるぞ!
ところでこの映画、「ダスト」が気に入ったら是非「ビフォア・ザ・レイン」もご覧ください。
マンチェフスキー監督の映像美、シーンの切り替わりの絶妙さ、そしてミュージックビデオ監督出身ならではの音楽のセンスの良さに加え、これまた深い話なんだ…。
今回は兄弟モエを前面に押し出してプッシュしてますが、「ダスト」のストーリーはそうとう深いです。観終わってから何度も何度も、この物語の意義に考えさせられた映画でもあります。
2.「ブラザーズ・ブルーム」"The Brothers Bloom" 2008 USA, directed by Rian Johnson
これ、私、勝手に兄弟の結婚式に行く話だと思って観たんですけど、全然そんな話じゃなかった(笑)
ブルーム兄弟というタイトルですね。まんまやん。
兄を演じたのは優しさあふれるマーク・ラファロ、弟を演じたのはアンニュイハンサム、エイドリアン・ブロディ。
この兄弟、みなしごで、子供の頃から詐欺で生計を立ててきた。
そんな詐欺生活が嫌で、時折、ひとりでどこかに行っちゃう弟を、これが最後、今回が最後と兄貴が連れもどしに行く。
今回のターゲットは豪奢な邸宅に一人で住むお嬢様。これをナンパして大金ふんだくろうと企む兄、一方でうっかりホントにお嬢様と恋に落ちちゃう弟。
この話、兎に角、兄貴が弟に甘い!
どう考えてもこの兄弟が生きてこれたのは兄貴の詐欺のおかげなんだけれども、弟がそれをなんとも思ってないあたり泣ける。そしてモエる。
ネタバレしたくないのでこれ以上語れないんですが、兎に角兄貴の献身っぷりが眩しすぎて、せつな過ぎて、なんともいえない気持ちになる映画なので、スーパーナチュラルファンはぜったい好きだと思う(特定か)
色々に解釈できる物語で、コメディタッチなんだけど、よくよく考えてみると
モエる。
壮絶にモエる。
多分、ダスト以上に見た人が少ない映画だと思うので全力プッシュしておきます。
↓似てない弟に甘々の兄貴が可愛い
↓実は菊地凛子がすごくいい役で出てる。
ちなみにライアン・ジョンソン監督はその後「ルーパー」を撮り、新しいスター・ウォーズ「ラスト・ジェダイ」の監督・脚本も務めているようです。
とまれ、兄弟モエ属性の人には、どちらの映画も絶対ツボだと思うし、映画としてもどちらも非常に良いですよ!
怪我属性の人は「ダスト」観てください(ぼそり)