ボヘミアン・ラプソディとマイ・ジェネレーション(1)
この冬観て良かった二大映画を、いっぺんに紹介したいなーと思って書き出したんですが、年代的には、マイ・ジェネレーションが60年代、ボヘミアン・ラプソディが70年代以降なので逆なんですよね。
でもまあ、ボヘミアン・ラプソディの方が日本公開は先だったので。
気付いたらフレディが亡くなってから生まれた子がとっくに成人している2018年、それでも、CMや映画や色んなところでQUEENの音楽はよく流れていて、だからこその映画のヒットなんでしょうね。
知っている人はもちろん、知らない人も、「あ!この曲知ってる!」って楽しめる。
そんなQUEENのバンド結成からライヴエイドまでを描くこの映画、時系列がどうのこうのとブツブツ細かいこと言うひともいるみたいですが、ドキュメンタリじゃないっつーの。細かいこと言ってたら映画枠に収まらないし、冗長になるんですよ。
そんなことより、一気にQUEENの世界に観客を引きずりこむことに成功している点、その一方でフレディの人種やマイノリティとしての苦悩や孤独もきちんと描いている点、そして何よりバンドメンバとの結びつきを見せてくれた点が、昔からのファンとしては本当に嬉しかった(号泣)
ところで、この映画で新しくQUEENのファンになって、よしアルバム買うぞ!と思ったところでQUEENのアルバム枚数に怖気づいてしまう人もいるんじゃないんでしょうか。
そこでオススメをOSTは別として…OSTはまず買っておいたほうがいいですよ。記念盤的な感じで。
あの映画オープニングのブライアン・メイのギターソロ、最高だよね。
あれはファンはあの時点で泣く。
QUEEN、まずはこの2つを買っておけばOK!
グレイテスト・ヒッツ1と2ですよ。
もう愚直にベスト盤。1と2。これ買っておけば間違いない。
QUEENの欠点は、兎に角楽曲が素晴らしいことなんですよ。
どれ聴いてもいいの。
でも、まあ、個人的好みってのがちょっとはあるんじゃないかと思うんで、
これ2枚聴いて、気に入った曲が入っているアルバムを次に買えばいい。
そんな感じで気付くと全部持ってることになるんだけどね!
でもベスト盤は持っておけば自分で編集する必要もないから楽だし…
布教にも使えるぞ!
でね、本当は次に買うべきはこれと対になってるPV集って書くつもりだったんです。
マジでいいから!買って!って。
今、アマゾン観たら、すっげ値段になってますね…何これ、何が起きた。
たぶん、そのうち、新たにプレスされると思うので、ちょっと待ってもいいでしょう。
YouTubeでも観られるしね。
でもすごいイイから、再プレスされたら買ってー。
何しろ、MTVってのは、だいたい演奏するだけのPVの中、QUEENの凝ったPVがえらいウケたんで、PV前世紀が始まって隆盛を極めたんだから。
以下、ちょっとマニアな話。
・ジョン・ディーコン
ベースのひとね(念のため)
ジョンはもうフレディが亡くなった時点で、フレディがいなければQUEENじゃないって言って身を引いちゃってるんですよね。
トリビュートには何とか引っ張り出したけど、ほんとそれだけ。
そのジョンを演じるジョー・マッゼロ(ジュラシック・パークで恐竜に怯えてたあの男の子だ!)が生き写しで。プレイもあの表情も、まさにそのまんまで、久々にジョンに会えた!そんな気持ちにさせてくれるんですよ。
それだけでも泣けてくる。
ジョンって一番目立たない感じだと思うんですけど、嵌ると深いんですよ。
プレイとかめちゃくちゃかっこいいし、控えめだし、バンドで一番年下なんですけど、縁の下の力持ち的存在でもあったので、詳しくはウィキってくださいね。
私は昔からジョンのファンなので、そうねー、ほんと嬉しかったよねー。
一番メンバの中のよさが伝わるPV置いておきます。一瞬だけど、ジョンがドラム叩いてるのも見られる!
・ブライアン・シンガー先生
今回、終了2週間前に監督を降ろされたブライアン・シンガー先生。
本当に悔しかったんじゃないかと思うんですけど…だってシンガー先生、けっこう乙女っていうか。
X-MEN撮ってる間も、スーパーマンへの愛を長々、ウルヴァリン役のジャックマンに語ったあげく、X-MENを放り出してスーパーマンをリブートしたのはいいけど、評判よくなくて、そのまま終了。
いつも愛が伝わらない。
そんな満たされない気持ちに共感を感じつつ、見守りたい気持ちでいっぱいです。
でもシンガー先生の映画、ちょっと雑だから、個人的には誰かが介入したほうがいい映画になると思ってるんだ(ごめん)。
ちなみにロード・オブ・ザ・リングのどこかでは臨時監督としてヘルプに入っていたはず。ピーター・ジャクソン先生と仲良しで、メイキングにあられもない姿を晒されてました。
今回、聞き分けの悪いレコード会社の社長(?)役で出演していたマイク・マイヤーズ。
ボヘミアン・ラプソディを聴いて「こんな歌でティーンが頭振りながら車ぶっ飛ばすもんかよ!」と怒るシーンは爆笑モノのサービスシーン。
だって、「ウェインズ・ワールド」でまさにボヘミアン・ラプソディで頭振って車ぶっ飛ばしてたから(笑)
これ映画館に観に行ったけど、爆笑したなー(思い出した)
・劇中、MTVに文句垂れるシーン
I want to break freeが放映禁止になって「あいつら俺たちのおかげでいい目を見たのに」とメンバーが文句を言うシーン。
上に書いたように、MTVが流行りだしたのってQUEENのおかげでもあるので、それはそうなんだけど、QUEENは割と暴れすぎてて、「Bicycle race」のPVではハダカの女の子たちを自転車で疾走させたために、確か自転車のレンタル会社に罰金取られたはず(笑)。
ちなみに、放映禁止はよくあることで、FGTHやDuran Duranなんかもエロいビデオ作っては放映禁止を食らってました。
但し、日本は非常にゆるかったので、放映禁止ビデオがそのまま垂れ流されてましたね。
子供のとき、フツーにテレビ神奈川で観てたわ。
尚、私の初QUEENはまさに「I want to break free」でした。
みどころは自ら女装を望んだ(って噂の)ロジャーの美少女っぷりと
プリマになるのが夢だったと語っていたフレディの英国ロイヤルバレエ団(本物)とのニジンスキーシーンです。
映画には出てきませんでしたが、デヴィッド・ボウイとの共作「Under Pressure」という名曲があります。
たまたま同じスタジオにいて、ばったり出会い、折角だから何かやってみようと言ってできたのがこの曲だそうです。
そんな即興で名曲作っちゃうあたり、さすがのQUEENとボウイなんですけど。
QUEENとボウイの共通点は、どちらもアルバムごとに音楽のスタイルを変えつつも、決して時代に流されるのではなく、次代の先取りをしていったところでしょうか。
残念ながら当時お互いとても忙しかったのでPVを一緒に撮る時間はなく、どちらの出演はないながらも、とても素晴らしい映像のPVがあります。
フレディ亡きあと、開催されたトリビュートコンサートではボウイとアニー・レノックスがこの曲を歌いましたが、あのアニーをもってしても、やはりフレディには適わなかった。
色々なアーティストが参加してQUEENの楽曲を歌ったトリビュートコンサートでしたが、フレディの不在をいっそう強く感じさせるものになりました。
ファンですらそう思ったんだから、演奏してるメンバーはもっと強くそれを感じてたと思うんですけど…(なんでブライアンとロジャーはQUEENを続けているのか…)。
ところで改めてこの映像観たらBOWIEがすっごい若く見えて、え?BOWIEって?あれ?QUEENと同世代じゃなかったっけ?って確認したら、やっぱりこのとき45歳です。
45歳…???(ガタブル)
で、「マイ・ジェネレーション」の話には当然入れないまま、第1回を終える感じです。横道に逸れすぎた。
「マイ・ジェネレーション」では「ボヘミアン・ラプソディ」で出てきたフレディの恋人が働く洋服屋さんや、あのときのロンドンがなぜああいうロンドンだったのかがわかりますぜ。
というわけで、それはまた次回。