イムデベ!

個人的偏見と傾向による映画・音楽・本紹介&レポ

新年だ、ドクター・フーを観よう(布教)

あけましておめでとうございます。

 

STAY HOMEに尽きるお正月休み、配信ビデオでも見るかーなんて思っている方々に布教しようと思い立ちました。

#以下、拾い画だらけなので、問題あったら消します。

 

新年だ、ドクター・フーを観よう。

Happy Birthday, David Tennant! 10 Great Tenth Doctor Moments | Anglophenia  | BBC America

 

ふお!凄いハンサムじゃん!

と思ったとしても、何せ知らないドラマシリーズはハードルが高い。

そもそもドクター・フー知らない人の方がたぶん日本多い。

そこで、軽くドクター・フーの説明をしつつ、布教。

 

1.ドクター・フーとは

ギネス記録の最長シリーズということで、白黒TV時代から延々続いているBBC制作のドラマシリーズです。

ドクターと名乗る宇宙人が時空も時間もひとっとびなタイムマシーンに乗って冒険を繰り広げる(基本)一話完結型のストーリーで、子供から大人まで楽しめるブツ。

ドクターは、肉体が死に瀕すると「リジェネレイション」という大技で(別に技名を叫んだりはしない)別の肉体、別の性格に変異するという特徴があり、このため、俳優の変更(性別すらも)が可能で、超ご長寿シリーズとなったようです。

 ちなみにこの人が1代目ドクターだそうです。

(私好みの)ハンサムすぎてやばいですね。Doctor Who: Every actor who has played the Time Lord | EW.com

 

2.ギネス級のシリーズ全部観るとか無理

一応、大きく二つに分かれていて、白黒時代を含む昔のものを旧シリーズ、2005年にリブートしたものを新シリーズとしています。

従って、新シリーズに限っていえば、9代目ドクターのシリーズ1から、現在の13代目ドクターのシリーズ12(2020年1月現在)となります。

13代目は初の女性ドクターでジョディー・ホイッテカー。凄くキュート!

 Doctor Who season 13 is already planned - Radio Times

3.正月休みはそんなに長くないから新シリーズだって無理

大丈夫です。1で述べたように、「リジェネレイション」によってドクターの性格は大きく破綻、じゃなかった変わります。

なので、お好みのドクターが出ているシリーズだけ観ればよいという暴挙が可能。

ちなみに私は最高人気を誇るテナント演じる10代目ドクターのシーズン2~4+クリスマススペシャル3本のみしか観ていません。

Favorite Tenth Doctor Catchphrase BESIDES Allons-y? | Doctor Who Amino NO PROBLEM!!

 

4.シリーズ2からってちょっとは問題あるでしょ

ありません。

コンパニオンと呼ばれる相方がシーズン1から引き続きローズ・タイラーという女性であることと、なんかシーズン1でローズが色々やったっぽいなーって話が出てくるけど、それなりに都度説明が入るので大丈夫。

安心してシリーズ2からご覧ください。

 

5.シリーズ2だけでも正月休み終わっちゃう

ご安心ください。

BBCドラマです。

アメリカのドラマみたいに20話を越えるなんて真似はいたしません。

クリスマスエピソード付きで14話ぽっきりです。

しかもアメリカのドラマみたいにシリーズの最終話はクリフハンガーなんてこともありません。

話的にはきっちりきっぱり終わります。

シリーズ2が楽しかったら3、3が楽しかったら4、やめられなくなったら、11代目ドクター、12代目ドクターと深みに嵌れば良いのです。

遡るという手もある。

 

6.ビジュアル観る限り子供向けすぎてくだらなそー

くだらなそーなビジュアルも、武器も、BBCにかかれば、非常に深刻でマトモでめっちゃ恐怖のどん底に突き落として、気持ち落ち込んで、ツラァってなること間違いなしですので、寧ろ、これが子供向けって、イギリスの子供たちのマインド強すぎねえかっていう…え、そうですよ。実は暗いんですよ。このドラマ。

Doctor Who 3D for 50th Anniversary | Doctor Who TV

 ↑これが冗談に見えなくなる本編のインパクトたるや。

 

7.本気で怖いから気をつけて!

冗談としか思えないビジュに油断めさるな。

ちょ、ちょ、やめ、ほんとやめ…!って思うこと必至のストーリー展開で、1話観るとぐったりする、それがドクター・フー

 ↓絶叫必至の恐怖回。"Don't Blink"Blink (2007)

8.どこが楽しいのか

ストーリーが非常に良い。良質。驚くほどクオリティの高いストーリーと、役者陣。

エピソード1つ1つが映画一本くらいの深さがある。

永遠に生きるというのはどういうことか、とか、

人の信念とは何か、とか、

そんなことすら考えさせられるSFドラマ。

 

あと、デヴィッド・テナントがピンストライプスーツで最高です。

 Doctor Who: The End of Time 10th Anniversary | Fathom Events

9.シリーズ2,3,4の違い(ざっくり)

2はコンパニオンがローズという元レジ打ちのお姉ちゃんで、ちょっと困ったお母さんと元彼のミッキーという愉快な仲間もいて、和気藹々。しかもローズちゃんとドクターはバカップルっぽいイチャイチャで可愛い。楽しい回が多い。

Tenth Doctor and Rose Tyler ☆ - Badwolf - Tenth/Rose Photo (37586352) -  Fanpop

3はコンパニオンがマーサというレジデントの女性で、非常に感じの悪い家族に敵視されるうえに、マーサちゃんの片想いがツラァな感じで、ドクターが引け腰。でもストーリー的には際立って面白い回が多い。

Doctor Who: Martha Jones Deserves a Better Legacy | TV Guide

4はコンパニオンがドナというこれまでのコンパニオンより少し年上の自称「派遣のプロ」の女性で、ドクターとはBFFな関係を築く。ドナちゃんのドクターに対する雑な扱いが実に爽快。面白いコンパニオンに対してしかし辛い回が多い。

 Catherine Tate has a hilarious reason for not watching Jodie Whittaker in Doctor  Who

10.どこで観られるの?

 いやー、アマプラで観られるはずだったんすけどね(遠い眼)

なんか今、観られないっぽいので、ウォッチリストに追加しておいてもらえるとそのうち…時々観られなくなるんですよ。謎ですね。

観られます!

観られるうちに観るのだ!

 

huluでは観られるのかな?ぽいな。

というわけで、適当に観られるところを探してください(いい加減)

 

それでは良いドクター・フーをAllons-y!!

 

#テナント的みどころはまた別途テナント祭としてアップします。

海外オタがV6ファンになって感涙したこと10選

そういや1年前はトニセンのディナーパーティだったわ…

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なんて懐かしく振り返りつつ、

本当はV6の”うわ!またとんでもないことやりおった”な配信ライブの話を書こうと思っていたのですが、パーフェクト過ぎて手も足も出ねえので、くだらない話します。

 

くだらない話と言いつつ、割とマジで、心に刻みたい、いわゆる

初心忘れるなかれ

なブツです。

最近、年末番組Mステだけ(12月1日現在発表分)ってどういうこと~?

25周年舐めてんのー??

とか思い始めた自分に、初心!初心ーー!!って言い聞かせて

まあ、早い話が誤魔化そうってことですよ。

25周年なのに、なんで特番ないの(ひとっとびに言う)

 

さて、不肖、私、幼少期より海外モノかぶれでございまして、

映画は洋画(欧米豪)、音楽は洋楽(英米豪)、本は翻訳モノ(欧米豪南米)

と、すがすがしいまでに自国というかアジアを無視したラインナップとなっております。

なんでそうなったかというと、幼少期に家にあって手に取った本が

「少年少女世界名作文学全集」

で、アジア編と欧米編に分かれておりましてな…手元にあったのが欧米編の方だったんですわ(アジア編は奥にあった)。

 

なので、まあナチュラルに、自分は白人だと思ってたし、TVで流れる洋画を見て全世界の人が日本語喋れると思ってたよね(吹き替え!)。

 

話が逸れました。

そんな私が、あれは6年か7年前(ウロ)、初めてV6に出会い(1曲も知らんかった)、ファンになり、国内のアーティストのファンになるってこんなに素晴らしいことなんだって感動したことを初心として10選したためたいと思います。

 

1.ファンクラブが実質タダ。

いや、マジで。

洋楽のチケットいい席とろうと思ったらプロモータの会員にならんといかんのです。

いいですか、好きなアーティストのファンクラブの会員じゃなくて、日本のプロモータの会員ですよ。

で、まあ、好きなアーティストが来日するなんて1年に1組あればいい方。

つまり、好きなアーティストの1ツアーにつき、プロモータの会員費を支払うんです。

そんな生活を送っていた私に、なんとV6のファンクラブに入ると、

 

・チケットが取れる

・会報が年に何回か来る(カウントしてないが来る。嬉しい)

・時々なんだかV6が仲良くしている動画が観られる

・誕生日にメッセージカードが来る

・誕生日になんだかV6が仲良くしている動画が観られる

・V6のメンバそれぞれの誕生日になんだかV6が仲良くしている動画が観られる

 

これを実質タダといわずしてなんといおう!

あと、

 

・キラキラベタベタしているキーホルダー式会員証がもらえる!

 

これ重要。絶対カード式とかスマートなのに変えないで欲しい。

あの90年代初期風キーホルダーを、死守して、欲しい!

 

2.地上派に出る

なんてこった。こんな気軽に拝めるなんて。

TVをつけたら好きな人出てるとかありえない生活だった私に、すごい大量の露出。

バラエティ番組に推し俳優が出るなんて、一回、恐竜がいたころに某ジャニ番組のクイズコーナーにゲイリー・オールドマンがなぜか出ちゃって、ゲームで運動神経と記憶力の無さを披露したことくらいしかないのに(あれは最高にキュートだった)。

音楽番組に推しバンドが出るなんて言ったら、寧ろ地獄。

なんだかよくわかってない司会者に「おすしー、おすし食べましたかー」とか言われちゃって、うわー、やめてくれ、そいつ前入りして強羅の温泉に浸かってた男だぞ!みたいな観るに耐えない恥かしい思いをさせられる(頼むから海外アーティスト相手におすしとてんぷらの馬鹿の二つ覚えを繰り出さないでくれ)。

なので、普通に、本当に普通に、地上派に出てくれたり、番組持ったり(することもある)なんて、ありがたいありがたいことです。

BBC(英国国営放送)と契約したいって思い続けていた私が、初めて日本の地上派に意味を見出したのはV6のおかげです。

でもいまだにBBCと契約したいですけどね(念のため)。

 

3.ツアー開催地に日本が必ず入っている

これ、洋楽ファンだったらこの辛さわかってもらえると思う…。

ツアーに組み込んでもらえないのよ!

洋楽バンドってそもそもツアー自体、3年に1度とかザラなのに、そのツアーに組み込んでもらえないことが多い。

近年ではデビュー以来ずーっと来てくれていた日本贔屓(だった)MUSEですらツアーに来てくれなくなった。

久々の来日ライブ時、「えー、随分あいだが空いちゃいましたけど」って言い出したデヴィッド・バーンには、「20年空いたぞ!」ってファンがキレたら、

「俺にだって事情があったんだよ!」

って逆ギレされたし、洋楽、日本人聴かなくなったからねえ(遠い眼)

なんてそんな辛い思い、V6ならしなくてOK!

ツアーは絶対日本!日本外すことなんて絶対ない!

この安心感…最高。

 

4.パスポート持たないで舞台が観られる

海外俳優を好きになるとですね、まずパスポートありき。

つーか飛行機乗らないと会えない。

舞台観るためには1週間は予定空けないといけない。

それが、なんと、V6メンバーの舞台なら、電車で行ける!電車で帰れる!

ありがたすぎる!!

 

5.雑誌が安い

推しが載っている雑誌を手に入れるハードルが低く、そして安い。

海外の雑誌となると、高いンですよーこれがー(遠い眼)

しかも入手経路がかなり色々と大変でして。

そんな中、V6だと、普通に本屋に並んでるゥー!しかもしょっちゅう載るー!!

ありがたい。なんてこった。これも実質タダ。ほんと実質タダ。

海外に行っては観劇のあいだにマガジンストアを渡り歩いて推しが載っている雑誌を見つけようと眼を皿のようにして探す…そんな私にとっては有難すぎて涙。

 

6.DVD・ブルーレイが日本仕様

あのね、オーストラリアのDVDはリージョン4、アメリカのDVDはリージョン1、日本とイギリスのDVDはリージョン2だけど、イギリスはPALで日本はNTSCだから、PCでしか観られないんですよ。

というわけで、私のPCにはDVDドライブが3つ(リージョン別)についているわけですが、

ありがたい。

V6なら、DVDもブルーレイも日本仕様!

普通にTVで観られる…すごくない?でももっとすごい話がある。

 

7.V6メンバー出演映画が必ず劇場公開される

これまで、海外推しの映画なんて日本スルーは当たり前。

DVDオチしたら良い方。

大抵は本国からDVD取り寄せしかなし。日本語字幕なし。

リチャード・ロクスバーグの初監督作品が出たとき、本人に舞台のあと会えたので、あの映画っていつ公開ー?日本来るー?って訊いたら

「世界中の配給会社が買ってくれた。買ってくれなかったのは2国だけ。その1つが日本だよ」

って微笑まれて、うっわー!日本の配給会社は馬鹿なんじゃないのー!??

って思ったんですけど(今でも思っている)

V6メンバーの出演作はぜったい劇場で公開されます。

すごい安心感…これが同じ国にいるということなのか…無敵。

 

8.母国語でOK

日本語通じるー!!!(感涙)

 

以上です。

10個ないじゃんって思うかもしれませんけど、他の記事をご覧になればわかるように当ブログは数字に忠実ではありません。

 

この8つを思い、初心に戻って、改めて、言いたい。

 

25周年音楽特番は…?(全然初心に戻ってない)

 

V6は音楽好きに受けるから絶対露出多くした方がファン増えると思うんだけどなー。

何で出ないのかなー。

 

あ、あと、グッズ欲しい。グッズ。

最近、スコットランドの推しがすごい素敵グッズを出しまして、私、愛用しているんでございますが、

https://store.tennantpodcast.com/products/a-podcast-with-mug-cream

推しの顔と名前が前面にフィーチャーされたマグすごく良い。

会社用に使っているので、V6も是非出して欲しい。

 

会社用に使う(真顔)。

デヴィッド・テナント祭り~DEADWATER FELL (2019)

2019年TVドラマシリーズ全4話。

煽り文句は「Everyone has something to hide」

あきらかに「Broadchurch」の二匹目のドジョウ狙ってる感が・・・

Amazon.com: Deadwater Fell [DVD]: David Tennant, Matthew McNulty, Anna  Madeley, Lynsey Miller, David Tennant, Matthew McNulty: Movies & TV

女性と二人だしな・・・と思いつつ最新テナントは抑えておきたい。

そんなファン心でヒアウィーゴー!

 

スコットランドが舞台・・・100%英語字幕に頼るしかないぜ。

#なので何か取り違えている可能性が大いにあることをご承知置きください。

 

医者のトム(テナント)は妻ケイトと3人の女の子と幸せな家庭を築いている。

すぐ近くに住む警官スティーブと妻のジェス、2人の男の子とも家族ぐるみの付き合いだ。

だがある夜、ジェスは息子の寝相の悪さに起こされ、息子の部屋に行くと、その窓から見えるトムの家が炎を上げていた。

すぐさまトムの家に救助に飛び込むスティーブ。

だが助かったのはトムだけだった。そして家族全員、薬品を打たれていて、娘たちは火事が起きる前に死んでいたことがわかった。

果たして犯人は誰なのか・・・。

家族を全員失って悲しみにうちひしがれるトムを中心に、それぞれが抱える秘密が明らかになっていく。

youtu.be

テナン度 ★★★☆☆(髭が濃いのとスコットランドなのにキルト着ないから減点)

出現度  ★★★★★(おはようからお休みまでテナント)

以下ネタバレ有りにつき改行ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下、ネタバレ有り注意。

1話目はなかなかの面白さ。

実はジェスとエッチしてたトム。

育児ノイローゼ(末の子に障害がある)のケイトは薬漬け。

ティーブとジェスは妊活に悩んでいる(息子x2は養子かスティーブの連れ子?)。

ふたつの家族が仲良く過ごしているなか、悲劇が起きるのが1話目。

助け出されるテナント、ぐったりテナント、またしても(!)酸素吸入テナントが観られます。

なんだろう、エゲレスという国はテナントのドラマちうと病院でセットを組み始めるところから始めるのだろうか。

酸素吸入器率が高い(笑)

 

2話目。

どうやらケイトが無理心中を図ったらしい・・・ということで、葬儀も子供たちとは別々に行われ、すっかりケイトが犯人モード。

お葬式で嘆き悲しむトム。しかし、葬儀に参列した見かけない女性が「芝居しちゃって」と吐き捨てる。

トムを怪しみはじめるジェス。

ついにトムとエッチしちゃいましたとスティーブに吐露。でも1回だけだし、愛情ゼロでバックからだったし・・・

ティーブ激怒。

怒りのスティーブは目撃者を連れてきて、トムがあの夜、森で逃げる娘をつかまえて家に戻ったと証言。急転直下、トムは逮捕される。

 

3話目。

目撃者はスティーブの捏造だったことが発覚。トムは釈放され、スティーブは自宅謹慎となる。

なんであんなことしたんだボケとののしられるスティーブは、ケイトがトムにいつか殺されると話していたことをジェスに話す。

冗談だと思って取り合わなかったことを聞き、ジェスはもう何度目かの疑いの眼をトムに向ける。

葬儀のとき、来ていた女性に話を聞くと、その女性は実はケイトの大親友で、昔のルームシェアメイトだったが、ケイトがいなかったときにトムと関係を持ってしまったためにケイトと友達の縁を切らざるを得なかったと話す。

えー、私とそっくり同じシチュエーション!

驚くジェス。

トムはケイトの大親友を狙って1度エッチすることで、ケイトが孤立するように企んでいたのだった。え?なんで?

 

4話目

というわけで、3話目までで、既にすべての秘密は暴露され(そんだけ?)わからないことはトムがなんでケイトを孤立させたかったかということだけなんだけど(独占欲ではない。そんなに好きだったようには思えない)、そうねー、それは明かされないのねーなまま、トム逮捕エンド。

せめて最後にチェーンソーでも持ってひと暴れしてもらいたかったものだが、それすらなく・・・。

派手さにも、インテリジェンスにも、オチにも恵まれない脚本でした。

2話目までは確実に面白かったんだけど・・・どうした。

折角のテナントの無駄使いだぞ!(ハリポほどじゃないけど)

 

ただまあ・・・病院シーンはありますので!(それだけだ)

 

前に何かのインタビューでテナントが「僕は脚本に書いてあるとおりに演じるだけだから」と言っていたのをふと思い出し、ああ、こういうことかなるほどなあと思いました。

トムって全然キャラクターが定まってないのね。

娘たちのことをちゃんと愛しているようにしか見えないのに、いざ金蔓のケイトに離婚されそうになると、さくっと全員殺しちゃう。

で、ケイトに対しても全然執着持ってなさそうなのに、孤立させようとするわ、精神安定剤オーバードーズぎみに与えるわ、雑に扱うのか、囲い込むのかどっちかにしろや。

まあはっきり言えば脚本がちゃんとしてないので、脚本どおりに演じた結果、トムは何がしたかったのかなあ(遠い目)で終わる作品ができてしまったということです。

ちなみに、トムだけではありません。

登場人物全員、

何がしたかったのかなあ(遠い目)

で終わる作品です。

残念。もうこの脚本家はパスしてください>テナント。

英国舞台をネット配信で観てみた~Faith Healer

2020年という年は(もしくは2020年以降の数年ということになるかもしれないけれど)、今まで普通にできていた体験が毟り取られ、代わりにこれまでになかった体験を”せざるを得なくなった”年ということになると思う。

”せざるを得ない”の中にはポジティブなこともたくさんある。

たとえば通勤時間という制約が省かれたことで、職種によっては生産性があがり、余暇の時間が増えた(私の場合がそうだ)。

いっぽうで普通に楽しめていた週末も家にいることを余儀なくされたり、不用意に友人と会うことも、旅行も、映画、舞台、色々な機会が奪われ、ネガティブなことはポジティブなことより何倍も多い。

その中で、イギリスの202年という歴史を刻む劇場「OLD VIC」が、無観客舞台配信をするということで、体験しましたという話と、その舞台「Faith Healer」に関する長くて誰も興味がないであろう考察をやります。

後半は本当につまらんと思うので、まあ、前半読めばいいかなって感じです。

 ***

尚、当ブログはカタカナに対して非常にテキトーです。

正しいカタカナはこう!そうでなければ英語で書け!という強い主張と正義感をお持ちの方はスルーしてください。

カタカナなんざどうせカタカナであって英語の発音をカタカナに落とし込む時点で誤差が発生してるんだから誤差が増えたところで近似範囲内という大雑把な方にオススメです。

だって面倒なんだもん、英語入力。

あと、後半に関しては、あくまで私の個人的な見解であり、まったく正解ではないし、正解だと主張するつもりもないので適当に受け流してください。

***

 

OLD VIC」は元々、非利益団体が営むボランティア劇場という日本には馴染みのない経営(?)らしいんですが、今回はマイケル・シーンを主演に迎えて、世界中に数回にわたって配信をするというチャリティ公演となりました。

劇場がまず素晴らしいので、是非、公式サイトの360度ツアーを観ていただきたい。

www.oldvictheatre.com

 

今回のチケット代は20ポンド~。

~、というのは、寄付を上乗せできるため。

もちろん、寄付はしないということも可能。財政状態に合わせて楽しんでね、というスマートな金額設定だ。

希望の日時を指定して、金額を決めて、カードで支払をすると、お買い上げサンクスメールが送られてくる(こんな感じ。テンションあがるー!)。

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そして、上演日の12時間前にURLが送られてきて、そこからZOOMにアクセス!

URLは客1人に対して固有のものになっているため、同じURLで他の人が入場することはできない。デバイスひとつにつき、1つのURLという方式になっているらしい。

で、気をつけなきゃいけないのは時差。

今回はサマータイムのロンドンなので・・・えーっと?

って考えるまでもなく、私のPCには日本時間の時計のほかにイギリスとオーストラリアの時計が設定されているのでした(趣味)。

というわけで、日本は23時から!

22時になると、「もうアクセスできるから、できるだけ早くアクセスしてね」というリマインダメールが。

何か問題があったときに対処しやすいように、とのこと。

劇場でも開場時間は開演の30分~1時間前に設定されてる。そんな感じ。

飲み物を用意して、アクセスすると、

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おー!なんかドキドキしてきたー!

しかもザワザワという観客席の音がちゃんと聴こえてくる。

ちょっとした仕掛けだけどこれが嬉しい。

早速部屋を暗くしてみて、それっぽくしてみる。

なんならお洒落しても良かったかも!

 

舞台は4部構成で、すべてモノローグのみ。役者さんは3人。絡みは一切なし。

1部めは主人公であるフェイス・ヒーラー(いわゆる信仰療法のひとですね)のフランク・ハーディ

2部めはフランクの妻、グレイス

3部めはフランクのマネージャー、テディ

4部めは再びフランク

3人が3様に語るのは、フランクのフェイス・ヒーラーツアーの顛末、起きた奇跡と起きなかった奇跡についてであり、同じ話なんだけど、微妙に違う。

人は、自分が知覚したもののみを認識するのであって、しかも認識した事柄は脳のシナプス結合として記憶されるので、誰ひとりとして同じ経験を共有することはできないということをよく表している物語で、こういう話が大好物の私にはとても楽しかったです。

フランクはこう言ってたけど、グレイスはこう言ってるからフランク嘘つきじゃん!ってあれ?テディも違うこと言ってる・・・

という、語り部によって2転3転。

最後に誰が真実を語っていたのかは読者(観客)に任せるというスタイルの物語。

自分の力をまったく制御できないカリスマのフランク、そしてそのカリスマに魅せられ巻き込まれてしまったブレイスの悲しい物語なんですが、最後までぐいぐい引っ張られました。

マイケル・シーンのフランクが本当に凄くて、時により本物のカリスマであると同時に、時にはただの詐欺師にしか見えない、その切り替わりが凄かったです。モノローグだから、誰かとのやりとりがあるわけじゃないんだけど、いま、フランクがどっち側(カリスマなのか詐欺師なのか)がはっきりわかる感じ。

 

配信舞台を体験して思ったのは、割と舞台を生で観に行ったのと同じとはいえないけれど、似た体験ができるなということです。

TLに同じ公演を観に行っている人がいたり、マイケル・シーンが劇場前で笑顔の写真をツイートしたり、私の見た回の次の回をデヴィッド・テナントと奥さんのジョージアが見るよーってツイートしていたりしたせいもあるかもしれませんが、いつでも観られる動画、という形態よりも、時間を指定してチケット代を払って観るということが、よりリッチな体験に繋がった気がします。

舞台を再開できない現状、こういうやりかたを他の国(もちろん日本も含めて)も考えていいのかなあと思いますし、劇場を存続させるための寄付はできるだけしたいので、劇場側に仕事を作るという意味でも、良い取り組みだと思いました。

 

ただし、難を申し上げれば、カメラワークが非常に宜しくなかった。

なんなら定点カメラの方が良かった気がします。舞台観に行ったら定点だし。

役者さんの顔をアップにする必要は無かったと思うんですよ・・・ちょっとその辺が、あー、配信だなあってリアルに思っちゃう部分だったので残念ではありました。

 

以下、ブライアン・フリエルのフェイス・ヒーラーの話。

ネタバレをがっつり含みますのでご注意。

 

1幕では、フランク・ハーディが、フェイス・ヒーラーのツアーポスターを前に、自分の力について語りだす。

彼の力は、まったくコントロールできないものであり、誰を癒せて誰を癒せないのかは誰にもわからない。

したがって、自分の力にフランクはまったく自信が無い。もしかしてその力は「自分自身の信仰(フェイス)から」きたものかもしれない一方で、「癒された人の信仰から」きたものかもしれないと考えている。

それでもマネージャーであるテディは彼の力を信じて、彼の興行に身を捧げてくれている。

おかげで、何人か観客を集めてそのうち1人くらい治せて、はい、よかったねというようなツアーをやっては、スコットランドウェールズを、愛人のグレイスと3人で回っていられる。

フランクは集まる人々は自分に治してもらえることを期待していないと言う。彼らは、「フェイス・ヒーラー」にも治せなかったという自分の病気(怪我)に対する「不治」の承認を得たがっているのだと彼は考えている。

この詐欺師の貧乏ツアーになぜテディのようなマネージャーがついてくれているのか、フランクには判らない。

ある日、彼はグレイスを置いてきぼりにしてテディとふたりで故郷のアイルランドに帰り父親に会う。

父親はベッドの上の母親の亡骸を見せて、「丁度1時間前に息をひきとった」とフランクに言う。

ふたたび彼はスコットランドをめぐるツアーに出るが、彼の力はいよいよ不安定になり、財政事情は悪化する。

仕切り直しを期待して、再びアイルランドに戻ったところで、とある小さな村のパブで結婚式帰りの若者たちと出会う。彼らと楽しい夜を過ごしたが、フランクが若者のひとりの指を治したところから不穏な空気が漂い始める。

なぜ、私たちはあそこに残ってしまったのだろう、という自問と共に1幕が終わる。

 

2幕はフランクの妻、グレイス。

フランクは彼女を「愛人」と呼んでいたが、グレイスは自分が妻であること、興行の最中、適当な苗字をフランクに付けられ、愛人と呼ばれていたことをぶちまける。

フランクは嘘ばかりついていると彼女は糾弾する。彼の母親は彼と出会う数年前に死んでいるはずだと言う。

だが彼女はそんなフランクを愛しており、彼が奇跡を起こすたびに自分の身の幸運(こんな人と結ばれるなんて!)を感じるが、同時に奇跡を起こせない酒びたりのフランクとの喧嘩は耐えない。

ある日、彼女はフランクを置いて出て行き故郷に戻るが、故郷では父親が彼女を詐欺師と結婚して出て行ったと詰り、母親もおまえのせいで死んだのだと責める。

彼女は再び「フェイス・ヒーラー」の興行に戻る。

フランクとのあいだにできた最初の子供は流産してしまう。二人目の子供は産み月までもつが、結局死産だったと彼女は語る。

死産した子供をフランクがスコットランドの道端に埋め、白くペンキを塗った十字架を作って挿したと言う。もうその十字架は倒れているに違いないと繰りかえす。

彼女は精神を病んでいて薬を飲んでいる。もうフランクは傍にいない。彼女は薬を飲んでも癒されない苦痛に精神を苛まされている。

彼女が語るのはスコットランドでの奇跡の一夜、10人の観客、10種類の病気をいっぺんに治した夜のことだ。治癒した患者のひとりはフランクに財布ごと渡してお礼を言った。

だが、その後は転がり落ちるばかり。フランクの酒量は増え、奇跡は起きず、まったく起きず、もしかして故郷に戻れば力がチャージされるかもしれないとフランクが言うまま、アイルランドに行く。

そしてパブで楽しいひとときを過ごしたあと、フランクは車椅子の男に呼び出される。彼女は彼を引き止めようとするが引き止められない。

自分は彼が作り出した虚構であって、彼がいなくては存在しえないと慟哭して2幕終了。

 

3幕 テディー

マネージャーのテディーはフランクと出会う前の彼のさまざまな興行の成功経験を語り、フレッド・アステアらを引き合いに出して、才能のある人間はその才能について考えるような脳を持ってはいけないという持論を展開する。

その点でフランクは駄目だったと指摘しながらも、彼はフランクを決して見捨てない。

 彼はスコットランドの奇跡の一夜を語り、そのとき老人が渡した財布を持って、フランクとグレイスはテディーを置き去りにしてバンに乗って街に行き、財布が空っぽになるまで豪勢に遊んだと愚痴を零す。まるで子供だ、と零しながらも、彼は興行ツアーから抜けることはない。

テディーがバンを運転し、助手席にグレイス、後部座席にはフランクが脚のあいだにウイスキーのボトルを挟んで乗っている。

フランクの酒びたりはひどくなる一方で、奇跡も起こらない。

あるとき、バンが轍に嵌ってしまい身動きが取れないままになり、その数日のあいだにグレイスはバンの後部で出産する。

出産時に、フランクは逃げ出し、テディーが子供を取り上げる。そのあいだ、グレイスはフランクの名前を呼び続ける。

死産した子供をテディーは道端に埋め、十字架を作る。

やがてフランクは故郷のアイルランドに帰ると言い、アイルランドのパブで結婚式帰りの男たちと愉快な晩を過ごす。赤いドレスで歌うグレイスにテディーは見とれる。

仕事と友情は分けねばならないと主張するテディーだが、グレイスのことを愛してしまっている。

グレイスに見とれているのをフランクに気付かれたテディーは先に2階の部屋へ戻る。

早朝、グレイスがテディーを叩き起こす。「恐ろしいことが起きたのよ!」と彼女が叫ぶ。

それは12ヶ月前の話だ。そして今、テディーは警察の訪問を受けたと話す。

グレイス・ハーディを知っているかと問われて知っていると答え、彼女の住んでいる場所がほんのすぐそこだと聞いてショックを受ける。

すぐさま会いに行こうと考えるテディーに警察は、彼女はもうそこにはいない。睡眠薬の飲みすぎでモルグにいるから、彼女がグレイス・ハーディであることを確かめてほしいと言われる。

モルグで彼女を確かめ、親しい仲かと警察に聞かれ、テディーは20年にわたる仕事仲間だと答える。仕事仲間でしかない。それ以外に何があるのだと自問して終わる。

 

4幕 フランク

ようやくフランク自身がスコットランドの奇跡とアイルランドの最後の一夜について語る。

アイルランドの最後の一夜、彼は客のいなくなったバーに残る。テディーは部屋に戻り、グレイスは後片付けをしていたが、もう部屋に戻れと行って戻した。

バーにはフランクとバーの主人しかいない。

フランクはバーの主人が自分を嫌っているように感じる。酒をもういっぱいくれと頼むと、バーの主人は今すぐ逃げろとフランクに言う。

フランクが指を治した男はマクガーヴィーを連れて来るに違いないとバーの主人は言う。マクガーヴィーだけは誰にも治すことができないだろう。そしてもし治せなければおまえは彼らに殺されるだろう。

そのとき、男たちが戻ってきて、マクガーヴィーを連れて来たから外に出て来いと言う。

フランクは言われるがままに外に出る。外には車椅子にのせられた青年がいて、見るからに重症に思われる。フランクは彼を治せないのを知りながら、歩みを止めずに彼らの方に向かっていく。

このとき初めてフランクは郷愁を感じる。

 

これで終幕。

フランクの生死は読者にゆだねられているが、普通に考えて、この4幕を通してみれば、フランクは男たちに殺され、独りになったグレイスはアイルランドに残ったものの、寂しさに耐え切れずロンドンに出てきて、睡眠薬オーバードーズで死に、モルグでそれをテディーが確認する、という話になる。

 

でも、いくつか疑問がある。

あまりにも3人の言うことが違っていないか。

もちろん、人間の脳の構造上、同じ体験に対して同じ記憶を持つことができないにしても、これでは少なくとも二人は嘘つきだということになる。

まずはフランク。彼は嘘つきで間違いない。

そしてグレイス、もしくはテディー。

赤ん坊の墓のシーンから考えると、どちらかが嘘を吐いているはずだ。

 

ただし、テディーが存在しないとしたらどうなるか考えてみたい

 

テディーをフランクが考え出した虚像だとすると(マネージャーのテディは存在するかもしれないが、ここでは3幕のテディーを存在しないテディーとする)、嘘つきはフランクだけになり、すべてのつじつまがあう。

奇跡を起こすカリスマとしてのフランク。

一方で、ただの人間であるテディー。

フランクが自分の力をコントロールできないことにフラストレーションを感じ、コントロールできないくらいなら力を持たないただの人間でありたいと考え、その姿をテディーという人物に投影して作り出すというのはありえない話ではない(気がする)。

すなわち、ブレイスが死産したときに傍にいたのはフランクであり、ただし、奇跡を起こすカリスマはそんな場面に、すなわち自分の子供が生まれたときには死んでいるという場面、自分は奇跡を起こせなかったという場面にいるわけにいかないから、傍にいたのはテディー、そして十字架を立てたのもテディーにした。

アイルランドのパブで赤いドレスで踊るグレイスに愛情のこもった視線を投げかけるのもテディーであり、カリスマではない。

そう考えると、フランクは1人の男、奇跡を起こす力など無い普通の男としてグレイスを愛したかったのではないだろうか。

しかし彼の奇跡を起こす力が失われたとき(パブの夜、彼ははっきりと”自分にはマクガーヴィーを治せない”と確信している)、フランクを愛するグレイスを自分のもとに留めておくことは、テディー(フランク)には出来なかった。

そこでグレイスをアイルランドに置いて、ロンドンで隠遁していたが、いつの間にかグレイスはすぐ近くに住んでいて、しかも前に彼女が言ったとおり、フランクなしでは死ぬしかないと睡眠薬を大量服用して死んでしまう。

そういう風に読むと(ただの邪推かもしれないけど)、この物語は二人の男女の20年にわたる悲しい物語であり、かつ大きすぎる力を得たがゆえの男の破滅の物語でもある。

ハーディというカリスマを殺し、テディという一般人になる(奇跡の消滅)⇒グレイス(与えられた奇跡;Graceとは神の恩寵を意味する)との離別⇒グレイスの自殺が物語の流れになる。

果たして、この男の持つ力とは何だったのか。それが一番の謎なのかもしれない。

 

最後に、この物語のラストシーン、マクガーヴィーのもとへ、自分を待ち受ける暴力へと歩みながらフランクが「郷愁を感じる」点について。

 

なぜ彼は突然、このときに至って故郷を感じるのか
これには北アイルランドの問題が深く関わっているように思う。
作者のフリエルは北アイルランドの出身。
すなわち、プロテスタントカソリックが対立している国の話だ。

フェイス・ヒーラーではどちらともつかない宗教観を語っているが、Hardyイングランドの名前であることからプロテスタントである可能性が高くなる。

そしてマクガーヴィーはアイルランド姓であるから、カソリックの可能性が高い。

以下、人伝に聞いた2つの話を、フランクが「郷愁を感じる」の意味としておいておきます。

 

北アイルランド人の英会話教師から聞いた話
「地元(田舎の小さな町)には13軒パブがあった。
カソリックのパブって意味だけど。
もちろん、俺たちはプロテスタントのパブには行かない。
それでもときにはパブでかちあって喧嘩になる。
一度なんかバーカウンターで飲んでて振り向いたらカマだの鉄の棒だの持った連中が後ろにずらっと並んでた。プロテスタントの連中が襲ってきたんだ。
それで、俺の友達は外に連れ出されて高いところから投げ落とされて、失明した。
俺は鉄の棒で頭を殴られただけで済んでラッキーだった。
今でもその傷あとが残ってるよ」

 

オーストラリア人で一時アイルランドに住んでいた英会話教師から聞いた話
「パブに行って酒を飲んでいたら喧嘩が始まった。
殴りかかられたとき、おまえはどこの出身だって言われて、オーストラリアだって答えたら、それじゃあ、おまえは関係ねえって言われて殴られなかった」

デヴィッド・テナント祭り~The Escape Artist(2013)

2013年 TVミニドラマシリーズ全3話

非常にそそるDVDジャケ写とは裏腹に真面目なサスペンスです。

ん?いや、なんていうんだろう、つまりその、ジャケ写から期待するようなことは何も・・・(何)

えー、でもコレだよー!?(BBCへの多大なる期待)

Amazon | The Escape Artist [DVD] [Import] -TVドラマ

だがしかし、観る価値は存分にぎゅうぎゅうに詰め込まれているので、BBCへの信頼揺らがない(制作じゃないけど放映がBBC、かな)。

 

デヴィッド・テナント演じる主人公ウィルは若き弁護士でいまだかつて負けたことが無い将来有望なエリート。「Escape Artist」の渾名さえついている。

ライバルの若手エリート弁護士マギーはくやしさに歯を噛み締める毎日だ。

ウィルの信条は「誰でも弁護を受ける権利がある」。

その信条にのっとって、ある日、女性を殺害した容疑者フォイルの弁護を受けてしまうが、どう考えてもこいつがクロ。

もう、どっからどう見ても、犯人。

この腐れ外道が!と盛り上がる陪審員を前に証拠不十分を盾にウィルが審議の取り下げに成功してしまう。

握手を求めるフォイル。その手を握ることができずにそっけなく挨拶して立ち去ってしまうウィル。

うっわ、バカにしたわ、コイツ・・・とキレるフォイル。

実はフォイルは法律に詳しいシリアルキラーだった。

 

というわけで、果たしてどちらが本当の「Escape Artist」か、ハラハラドキドキあら素敵キルト・・・の全3話。

 

尚、残念なことに日本語版は出ておりません。

いっちゃなんだけどさあ、「バッド・デシジョン」よりこっちの方が・・・あ、テレビドラマだからか。

かつてWOWOWで放映されたことがあるようですが吹き替えだった模様(テナント英語を聴かずしてテナントはテナントではなく!)。

幸い、英国版DVDがリージョン2でございますから、こころおきなくPCでご覧いただけますし、英語字幕がついておりますが、美テナントに夢中で英語字幕観ている暇なんかないので、これまたこころおきなく画面をご堪能いただけます。

 

テナン度 ★★★★★ (こんなにクレバーなテナ見たことない!眼がうつろなのに奥さんと息子には甘えん坊だぞ!ギャップもえ)

スコッツ度 ★★★★★ (おめでとうございます。みんな大好きテナのキルトがあーるーぞー!)

予告編はこちら(尚、すがすがしいほどのネタバレが含まれますのでご注意)


Escape Artist trailer

 

以下、ネタバレにつき改行します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たまらん。

クレバーテナントたまらん(語彙)。

クレバーテナントが法廷ではクールで死んだ目をしているのに、家庭では奥さんと息子に甘えまくるとか、誰の手柄ですか!ありがとう!ありがとう!!

テナント演じるウィルがあまりにパーフェクト。

これはつらい。周囲、つらい。

でも割と友達には恵まれてたりなんかして、それだけにサイコなフォイルがキモすぎる。

あと、ライバルのマギー。共感のひとつも感じない性格破綻キャラでびっくりした。

でもブロードチャーチS2の若手弁護士もこんな感じだったので・・・英国の若手弁護士はこんな感じなんだろうかどうなんだろうか。

とまれ、

1.クレバー全開のウィル

The Escape Artist Introduction And Character Profiles

2.奥さん惨殺されて悲しみにもがくウィル

PHOTOS: More Promotional Images From The Escape Artist Featuring ...

3.リベンジマッチにダークサイド落ちウィル

Will confronts Foyle - The Escape Artist: Episode 3 Preview - BBC ...

という3段階ウィルチェンジが観られる素晴らしい作品でした。

小枝が似合うね!

エゲレスは・・・いい!(あ、ブリテンって言うべきだろうか、まあいいか)

洋楽大好き人間の私がV6に嵌った10の理由

V6、25周年ですって。

すごいですね。

快挙じゃないでしょうか。

快挙ですよ。

でも、こんな年なので、記念コンサートでお祝いというわけにもいかず、

思い余って布教します。

J事務所興味ないしーというガチの音楽好きにこそ勧めたい。

V6という、アイドルを突き詰めすぎて、煮詰めすぎて、

各種凄腕職人集めましたみたいになっちゃったグループを。

 

私、正直、アイドルを好きになったことがありませんでした。

自分で曲書いてないっていう時点でアウトだったんですよ。

 

中学1年からひたすら洋楽(特にブリティッシュロック)に嵌る日々を過ごし、

基本はバンド。

ライブ行ったら拳振り上げてヘッドバッキング。

タワレコでひたすら視聴を繰り返して、知らないバンドを発掘したり、

イギリスのネットラジオ聴いて、知らないバンドを発掘したり、

洋画・洋ドラ観ては、BGMから知らないバンドを発掘したり、

そんなことを繰り返していたので、

日本で流行っている曲はほぼ知りませんでした。

 

じゃあどこでV6が出てきたのかっていうと、

もともと岡田くんという俳優が好きで、同じく岡田くん好きの友達と岡田くんの映画は観に行ってたんですね。

それである日、「図書館戦争」を観に行ったら、一緒に行った友達が

 

「V6、気になってきた」

 

えー、うーんまあ気になるけどー、アイドルでしょー?

なんて言ってたら、友達のおうちで見せられたんですよ。

V6のライブビデオを・・・・・・ハイ、終わった。

速攻、ファンクラブ入りました。

全部、曲を履修しました。

知っている曲は1曲もありませんでした。

 

すごい!全部新曲!!(待て)

 

もはや、岡田くんだけにとどまらず所謂、箱推し(全員好き)です。

全員の舞台行っちゃう。映画も観ちゃう。ドラマも、バラエティも観ちゃう。

だって、全員すごいんだもん。

 

というわけで、私がV6に嵌った10の理由!

 

1.歌唱力がズバ抜けている

歌が上手い。全員、上手い。

アイドル=歌が下手というのは思い込みでしたー!(土下座)

あと、表現力が深い。うっかりエモって深海潜っちゃうくらい深い。

メンバそれぞれが、別々の表現でひとつの曲を歌うという、たたみかけるような歌声の説得力。

しかも全員、声が個性的。

坂本くん⇒深い響きのある優しい声。英語がエロい。

長野くん⇒ハスキーボイス。高音が可愛い&切ない。

イノッチ⇒力強い青年ボイス。時々掠れるのがエモい。

森田くん⇒ウィスパーボイス。甘くて切ない系。

三宅くん⇒変幻自在のキャラメルボイス。エモからテクノまで何でもいける。

岡田くん⇒優しい甘ったれ声。低音が強く、高音が優しい。

この6人の声を2人ずつとか、3人ずつとかミックスさせまくって、多種多様な歌声を作りだすマジック。

ここまで歌を聞かせるグループってのはアイドル以外でもなかなかいない。

 

というわけで、まずは2020年のファーストシングル「It's my life」で心に優しく沁みる歌声をどうぞ。


V6 / It’s my life(Lip Sync Video)

 

2.ダンスがむちゃくちゃカッコイイ

V6と言えばダンスグループだと思うんですけど、先に歌唱力を挙げたのは、それだけ歌える人たちが、実はダンスしながら歌っているという離れ業だから・・・なぜ、それ、同時にやれるのか!

しかも、ダンスもそれぞれ違って個性的。

なのにゆるっとぴったり合う。

何言ってるかわかんないかもしれないけど、コーラスライン的な一糸乱れぬダンスではなくて、個性的なダンスがピタッと合うんですよ。

観て。

観ればわかる。

 

坂本くん⇒たぶん一番正統派。ミュージカル系ダンスというか、クラシックなダンスから、タップダンスまでパーフェクト。手元が可愛く、腰使いがエロい。

長野くん⇒パワーダンス。下半身のどっしり感が半端ナイ。頼れるダンス。回転に夢がある。胸元の動きがぐいんぐいんしていて、鎖骨がエロい。

イノッチ⇒暴力的なダンス。細い身体から繰り出される恐るべき破壊力のある動きで何もかも蹴散らす勢い。ひらめく洋服がとてつもなくエロい。

森田くん⇒身体の中に音楽がいて、自然に動いてる。歩いててもダンス。ずっとダンス。自然とあふれだす系。表現力のかたまりのようなダンス。

三宅くん⇒自分のカッコよさを100%知っている、オーディエンスの需要をどこまでも汲んだダンス。カッコイイとカワイイを自在に使いこなす。

岡田くん⇒緩急の激しい文字通りキレッキレのダンス。近くにいたら空気切る音が聞こえるんじゃないかと思う。1ミリも違わず動きを止めるカッコ良さ。

 

しかも 物凄い勢いでフォーメーションを変えていくので、どこに誰がいるのか動体視力が追いつかない。

 そこで、全員黒い服だから余計に動体視力を試される、歌も最高ならダンスも最高の「Right Now」をどうぞ。

 これ楽曲が清水翔太さん作成で素晴らしい!


V6 / Right Now(YouTube Ver.)

 

3.もう完成している

ジャニグループとしてはこれ、もしかして欠点なのかもしれないと最近気付いたんですが、V6、もう完成しきっている。

だから、応援して育てる楽しみっていうジャニファンの需要はたぶん最初の数年で終了しちゃってるんですよね。

じゃあ成長が止まっているかというと全然そんなことはなくて、毎回、毎回、歌もダンスも自分たちでハードルあげて、それを飛び越えてくるんですよ。

だから育てる楽しみや、自分たちが応援して育てた達成感を持ちたいジャニファンよりも、音楽好きの人たちの方にうけるグループだと思う。

どっちがいい、悪いじゃなくて、単にどういうアーティストを求めているかという違いの話として。

私はこれもうパーフェクトじゃん…っていう感動を求めるほうなので、V6からは毎回、うわ、またパーフェクト越えてきたという感動をもらっています。

ちなみに10周年の曲がこちら。歌唱力もダンスも完全にできあがってます。(この曲、洋楽系で私は大好きなんだけど、みんなでカラオケで歌える類の曲ではない・・・)


V6 / Orange(YouTube Ver.)

 

4.ルックスと中身が全員個性的でいい

こういうこと言うとすぐに女子はルックスがーとか言い出すって言うやついるけどさ、そんなこと言ってもさ、男子だって好きなアーティストのルックス真似したりするじゃん。

 

ルックスが良くて何が悪い。

 

寧ろいいことしかない。全員顔が小さくて手足が長くてしかもタイプが違う。

そのせいか20周年時は恋愛ゲーすらあったくらいだ(最高に愉快だった)。

よりどりみどり揃えてます的なラインナップ。

坂本くん:大人の余裕・・・と見せかけて実は虫が苦手だったり、注目されると噛んじゃったり、シャイでカワイイ系。脚が長くて絡まるんじゃないかと心配になるスタイル。ワンディッシュで見せるギャルソンエプロン姿は似合いすぎて罪。

長野くん:微笑みの王子・・・と見せかけて実はカミセンのいたずらにすぐに乗っかる悪い大人。常に余裕がある。王子様ファッションからウルトラマンの制服まで着こなす全方向OKのスマートハンサム。あひる口が時空を超えて可愛い。

イノッチ:年々可愛い顔になっていく恐るべき成長型ハンサム。身体のラインは誰よりもエロ。Tシャツを着たイノッチを間近に見たとき、エッロ・・・と呟くのを止められなかった。笑顔もいいがアンニュイな顔もいい。そして垣間見える闇・・・

森田くん:一見強面だが、実は坂本くんと並ぶシャイなカワイイ系。なんだかわからんけど上機嫌でニッコニコしているときが多い。メンバーから何されてもなされるがままなのに、他Gとコラボするときは仏頂面なところが希少価値を煽る。

三宅くん:全身カワイイ。時々すごくおとなびた顔をするのでどきっとする(大人だよ!)。V6のことを考えて一生懸命行動してくれるので、ついファンが甘えてしまいがち。ファンを叱るときもあるいちばんのしっかりやさん。

岡田くん:「彫刻みたいな顔が横にあるとびっくりするんだよ!」(三宅くん談)な正統派イケメン。でも口を開くとだいたいの場合意味不明で、ファンもメンバーも全員が??になる。不条理と不思議をぶっこむカオス系ハンサム。

 

6人6様のルックスの良さはこちらでご確認ください。


V6 / Supernova(YouTube Ver.)

 

Supernovaのかっこよさとかけはなれ、

息をするようにうそをつくイノッチ、長野くんに甘えっぱなしの岡田くん、二人でつるみまくる剛健、暴走メンバーをたしなめようとしてどつぼに嵌る坂本くん、

パフォーマンスからかけ離れたグダグダな雰囲気はこちらでお確かめください。


V6 / スーパーパワーで乗り越えろ! アドリブ6(50th Singleより)

 

ちなみにV6は年上組(トニセン)と年下組(カミセン)に分かれていて、それぞれ3人ずつになるとまた立ち位置が変わって面白かったりもします。

トニセンになるといきなり大人しくなっちゃうイノッチや、カミセンになると森田くんに甘えまくる岡田くんが観られます。トニセンとカミセンに分かれるとこうなるんだ!ってのがよくわかるのは、こちら。


V6 / カミセンvsトニセン!沖縄縦断VR対決(13th Albumより)

 

以下、V6の本領発揮といえばコレ!なライブの話~。

 

5.ライブの緩急がすごい

踊りの緩急ではない。だって、歌ってるときはだいたい踊っている。

というか始まって以降、いつまで踊っているのだろう、え、マジでまだ踊るのか、大丈夫なのか、踊ってるよー、ますます激しいよー!!

と思った頃に突然MCで緩む。

緩むのほぼMCだけ。

しかもMCは概ね「V6でーす!」で始まる。そんなことは知っている。

だってV6しかいないのだから。

 

6.ジャニーズJrがいない

そう。V6のステージにはV6しかいない。

バックで踊るジャニーズJrというJ事務所では必ずいるあの子たちがいない。

なので、ライブに行っても前座は聞かねえタイプの人にはぴったり!(私だ)

私はV6を観に行っているのであって、他の誰かの踊りなど邪魔なだけ。

V6は最初から最後まで6人で全力疾走して歌い踊り続けてくれるのだ。

 

7.ステージ構成とライティングがブッ刺さるくらい尖ってる

これはスタッフもV6に含めてスゴイということなんですけど、

地味なセットなのに、物凄い凝ってる。

映像とメンバーのダンスのシンクロとか、どれだけ時間掛けたんだかわからないし、

レーザー光線とメンバーのダンスのシンクロは、あれ、立ち位置ズレたら終わりじゃないかという緻密な構成。

ライティングは絶対おかしい。これ、なんかおかしい。ライブでやれることじゃない。見ればわかります。異常。

他にも色々出てくる小道具、大道具、お立ち台、トロッコに至るまで、衝撃の連続ですよ。

 

個人的には、VIBESという岡田くんが演出、森田くんが衣装をやったコンサートを推したい。

ジャニ系でありえない(らしいですよ)CD音源化してない新曲を突然ぶちかます攻めのライブで、今に繋がる檻演出とか(不穏な響きだな!)ありますので、是非!

あと、プロジェクションマッピングを多用したOMGコンも素晴らしいので、是非!

 

尚、期間限定で公開しているセクバニコンは、360度ステージ!

残念ながらMCが収録されていませんがステージ構成とライティングのやばさをまず確かめたいかたはこちらで。


【期間限定】V6 / live tour 2011 Sexy.Honey.Bunny!

 

7.メンバー間の信頼感が熱い

これだけすごいライブ構成で、近距離でダンスをしているので、お互いへの信頼感がないと、絶対無理。

自分たちのことは自分たちだけが知っていればいい、と豪語するV6なので、ファンとしては詳しいことは知らんけどーって感じですが(笑)、信頼しあっているのは凄くよくわかる。

仕事仲間であるとか、家族であるとか、友達であるとか、そういう概念を超えて、お互いをとてもリスペクトしているのがすごくいいなーとダンスやMCを観てて思う。

 

8.ファンサが神(ファンサービスのことをファンサという)

どこの席になろうとも、必ず近くまで来てくれるのがV6.

ありえないと思うでしょ?

ありえるんですよ・・・。

2階席用の通路作ったり、トロッコ作ったり、いろんな手段で傍まできてくれるので、ファンサを一切受けなかったなーと思う回が無い(本当)。

特に長野くんは・・・たぶん、あれ、1ブロック丸々、全員が長野くんと眼が合ったと思っているに違いない、熟練のお手フリ。

森田くん、三宅くん、岡田くんはがんがんファンにハイタッチしてくれるし(岡田くんのタッチは手の平が赤くなるという噂・・・力強い)、イノッチはうちわに書いてあることを端からやってくれるし、リーダーははにかみながら、はにかんでるのがいいよねー(あのひと、だいたい、はにかんでるんだよ!)。

 

そしてステージは前方、後方、そしてセンターと3つあり、アリーナをぐるりと囲む花道もあるので、どの席でも必ず近くで聴ける曲があります。すげえ。

・坂本くん:はにかみファンサ。運が良ければ間近でセクシーを拝めるが、まだそんなラッキーにめぐり合えていない。

・長野くん:ロイヤルファンサ。まんべんなく、すべてのひとに、おしみなく、笑顔とお手ふりを届ける。

・イノッチ:雪崩れ込むようなファンサ。おそらくウチワに書いてあることをやっているのだと推察されるが、おおむねダブルピースして満面の笑顔を振りまいてくれる。

・森田くん:ニッコニコのファンサがカワイイ。自分のウチワを持っているファンには積極的に手を伸ばしてくれる。

・三宅くん:いけずなファンサ。かっこよさと可愛さを自在にあやつる。どっちに当たるかは曲による。ウチワの組合せを見て他のメンバと絡んだファンサも繰り出す臨機応変ファンサ。

・岡田くん:ハイタッチは力強く、お手フリは全身を使った幼子っぽさ。なぜか長野くんのウチワを持っている人にファンサするという噂。ファンサまでも不思議。

 

9.ファンへの信頼感が熱い

ファンのおまえが信頼されてるとか言うなと思われるかも知れませんが、V6のファンっておとなしいんですよ。

昔は暴れん坊だったらしいですけど、少なくとも私がファンになったときはもうおとなしかった。

銀テ(ぱーんって飛び出して客席にふってくるテープのこと)なんかが飛び出しても誰も奪い合わない。頭にかかってきたりしたやつをそっと丸めて、曲が終わるまで待つ。そして自分の分を確保したら、あまりは曲の合間に周囲で取れなかった人を探して渡す。あるいはコンの最後に出口の近くのテーブルにまとめて置く。席が遠くて銀テが飛んでこなかったひとも、持って帰れる仕組みになってる!

あと、メンバーが投げたメッセージ付のお花だとか、色紙を受け取った人が、コンのあとで、みんなに写真を撮らせてあげているのも見たことがある。取り合いにならない安全安心なファンなのだ。

そんなファンなので、V6メンバー、コンの最中に客席から出てきたことすらある(びっくりした)。

 

そして、2019年末のトニセンのディナーショーでは客席の間をぬってトニセンがファンにハイタッチをしてくれたが、少なくとも私の周囲で立ち上がる人は誰もいなかった。

全員おとなしく座ったまま、手を上げてハイタッチしてもらえるのを待っていたし、向きを変えてタッチしてもらえなくてもそのまま手を下ろすだけだった。

それまでも何度か、各メンバーの舞台を観に来たメンバーが普通に客席にいるのを目にしたことがあったけど、トニセンディナーショーでは、なんと三宅くんは2回、岡田くんは1回、ディナーショーに参加した。

参加ってトニセンと舞台に出たわけじゃなくて、ふつーに、客席に、ファンのテーブルに座ってたってことです。ありえない。

たぶん、他のグループだったらできないと思うんですよ、危なすぎて。

でも、V6のファンは誰ひとりとしてメンバーの席に駆け寄ったりしなかった。

私は偶然三宅くんが後方テーブルにいたのでびっくりしたのですが、普通に最後までいたよね(笑)

プロデューサーみたいに腕を組んで見守っていた三宅くんとは対照的に、岡田くんはきっちりトニセン全員からファンサ(ハイタッチ)もらってたそうです。なんだそれは。全員なんてひいき~!(そりゃそうか)

 

10.元気をくれる!

上記全部ひっくるめて、元気をくれる。

兎に角、元気になる。笑顔になる。ありがとう、V6!

私的にいちばん励まされた曲は・・・いっぱいあるな。2つだけ貼ります。


V6 / スピリット(YouTube Ver.)


V6 / Sky's The Limit(YouTube Ver.)

 

というわけで、10個では語りきれないのであとはコンサート見て!

最新コンサートも期間限定でYouTubeで観られるよ!!


【期間限定】V6 / LIVE TOUR 2017 The ONES

ジェラール・フィリップに捧げたジャン・コクトーのことばを借りて

突然ですが、ジェラール・フィリップという俳優をご存知でしょうか。

私もリアルタイムではありませんが、子供の頃、TVで放映されていた

パルムの僧院」を観て、こんなに美しい人がこの世にいるのか!

と驚いて以来、彼の映画をたくさんレンタルで借りて観ました。

活躍したのは20世紀半ば。

モノクロ映画からカラー映画へと移り行く中、1959年に36歳という若さで

病気で亡くなりました。

ジェラール・フィリップ - Gerard Philipe -

日本でもたいへんな人気で、当時としては珍しく、フランス映画で

ありながら多くの作品が日本で公開されたそうです。

今も日本ではときおり特集上映会などがあり、

根強いファンから新しいファンまで、彼の作品を鑑賞し、

奔放な剣士から、哀愁漂う悲劇の主人公まで、短い生涯と裏腹に

あらゆる役柄をこなした演技力と美貌に今も心を動かされています。

 Il était une fois Gérard Philipe

Gérard Philipe in Fanfan la Tulipe (1952) | Oeuvre ...

 

 

ジェラール・フィリップについて、フランスの詩人ジャン・コクトー

1960年に書いた言葉を、私は最近、よく思い起こします。

「ジャン・コクトー 映画について」という本に載っていたもので、

今では絶版となっており、非常にレアなテキストであることから、

他のコクトー本でも見ることが難しいため抜粋してここに引用します。

(問題がありましたらすぐに削除します)

 

尚、ここでコクトーが「妖精」としているのは、よく知られている御伽噺、

たとえば「眠り姫」で姫が生まれたときに良い妖精たちが姫に贈物を

捧げるなか、悪い妖精が現われて15歳で糸巻きに指を刺して死ぬと呪ったとき、

賢い妖精がカーテンの裏に隠れていて、悪い妖精の呪いを解く王子の出現を

贈物として捧げたことをさしています(他の御伽噺でも同様の話があります)。

 

また、文中に言及されているレイモン・ラディゲはコクトーの恋人であり小説家で、

18歳にして少年から青年へと移りいく心の残酷さを描いた「肉体の悪魔」、

19歳で「ドルジェル伯の舞踏会」を執筆したのち病に倒れ20歳で死去しました。

奇しくもジェラール・フィリップは若い頃に「肉体の悪魔」の主人公役を演じて、

大人気となりました。

 

*****「ジャン・コクトー 映画について」梁木靖弘 訳 より引用

オマージュ 

(前略)

「映画は劇作家に、真のトリスタンや真のロミオ、若いイゾルデやジュリエットという、役柄と同じ年齢の俳優たちを発見するように仕向けた。

その結果、演劇でも到底応じられないような観客の要求が生じた。

若い俳優たちには、ヒーローやヒロインを背負うだけの、役者としてのたくましい肩がないというのに。

役者に求められたのは、伝説に見合う年齢などではなく、それを信じさせる才能だった。」

(中略)

「彼がその年齢からくる血気に加えて、何か妖精から受けついだ不思議な知恵を結びつけるのを見た。

 妖精たちは残らず、彼の揺りかごのそばにいた。恐怖の的になるのはいつもきまってしんがりの妖精だ。ほかの連中のあとで、ジェラールの所へ最後にやってきた妖精が言う、「おまえの栄光は長続きしないよ」と。

彼女はしくじった。というのは、良い妖精たちはこの気の抜けた悪意を知っていて、そのおどかしを訂正した、「おまえの短い栄光を長く続くのに見あうほど力強いものにしてあげよう」と。」

(中略)

「また確かに、現代のリズムは若い俳優たちに神経を使わせ、実に重い役でもいとも軽々とやってのける彼らに極度の疲労がないはずはない。

しかし、ジェラール・フィリップは落着いた生活を送っていたし、国立民衆劇場のローテーションがつらければ、田舎で休養し、彼の良き伴侶である妻から、波風ひとつ立てぬ親身の心づかいを受けることもできたはずだ。

 いや、齢を重ねるという幸運をほめたたえ、また望んでもいたレイモン・ラディゲが、糸玉を見る見る減らすほどの速さで彼の天才を繰りだしたように、ジェラール・フィリップもまた、見さかいなく精神の富を浪費し、その心を破滅にくれてやったのだ。

 その宝を大盤に振舞ったあげくの、これもまた、何という豪奢!」

(後略)

*****

 

素晴らしい俳優の演じた作品たちは、その早すぎる死をもってしても輝きを失うことなく、半世紀以上のときを経てなお、新しいファンを獲得するほどの力を持っています。

 

今、私の手元には舞台の返金処理の振替払出証があります。

この舞台が中止になったとき、1月に彼がゲスト出演する姿をコンサートで観たこともあって、この状況では仕方ない、きっと来年、いくつもの舞台を観ることができるだろうと思っていました。まさか、二度と、彼の舞台のチケットを手にすることができないとは思っていませんでした。

 

舞台やコンサートでの溌剌とした姿や素晴らしい歌声は、記憶にとどめておくことしかできませんが、ドラマや映画はおりにふれ見返すことができます。

初めて見たひとが新たにファンになることもあるでしょう。

その死を悼むだけでなく、遺してくれた宝物を大切にしていきたいと思います。

 

素晴らしい宝物をたくさん遺してくれたことに今はただ感謝するばかりです。

ありがとうございました。

あなたと同じ時代に生きられたことを幸運に思います。