イムデベ!

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V6 "The Ones" アルバムレビュー

V6が紅白に出ない!

ハア?

シングルもアルバムもツアーもあったのに…なぜ今年出ないのか本当に意味がわからないので、紅白代わりに、今回のアルバムレビューとして熱い気持ちを叩きつけておきたいと思います。

 何日にもわたって書いているうちに(遅い)WOWOWさんがライブ放映してくれたので(ありがとうございますありがとうございますありが)ちょっと心が落ち着きましたが、素晴らしかったですねえええ!!

WOWOWで放映することの素晴らしさは普段V6のコンサートを見たことのない方が目にしてファンが増えるというところにあり、いやもちろん、ライブDVDまで待てないんだよ!ってファンの熱い気持ちにこたえてくれるところもあり、ちなみにアニバコンもWOWOWで放映してくれたんですが、コンDVDとはアングル違います。編集違います。WOWOWで嵌ったらコンDVD買ってまた別の感じを楽しめるっていうね、コンを何度も楽しめるっていうね、WOWOWさんありがとうありがと(永久ループ)

 

さて、基本、洋楽メインの私がV6に転んだ理由のひとつに音楽性の高さがあります。

アイドルで音楽性ってなんだよって思うひといるかもしんない。私もそうだった。

でも違うの。自分たちで作ってない曲でも、自分たちのものにちゃんとする+ビジュアル(ダンス)+メッセージに魂こめる、って有りなんだなってV6で初めて思いました。

私が転んだときはOh! My! Goodness!が出たあとで、これはもう各所で言われているように超名盤、はっきり言ってアイドルの枠にくくったら勿体ないというか、寧ろ理解されないのではないだろうかと危惧されるような名盤なので、洋楽ファンにこそ聴いて欲しい感があります。

Oh! My! Goodness!が一貫したコンセプトアルバムだった(アルバム通して聴くことに意味がある)のに対して4年ぶりの新作は、正反対、ひとつひとつの楽曲が完全に孤立している、何なら全曲シングルを集めたようなアルバム、その名も「The Ones」。

もうこれだけで、おお!やりおった!と思ったんですよ。

MUSEの二枚目のアルバム「Origin of Symmetry」がコンセプトアルバムで、最初から最後に至るまでまさにパーフェクトな超名盤。これまでになかったロックオペラだと言われて、一枚目ではレディヘのフォロワーだなんていわれてた(どこが?ってファンとしては思うんだけど…)評価がいきなり高くなった。さあ、次はどうするんだろう、ハードルが相当高くなっちゃったぞって思っていたら、三枚目の「Absolution」は、1曲1曲が完璧に独立しているアルバムだったんですよ。これがロックの名盤中の名盤でして、それまでマニア向けだったバンドの人気に一気に火がついたんですね。

今回のV6のアルバムはそれを彷彿とさせるものがありました。

バンドじゃなくてアイドルなんだし、結局ちゃんとしたプロデューサがつくんだからそういう上手い流れ作っても当然でしょとか思うかもしれないけど、V6はプロデューサと言っていいくらいアルバム作りに関わってます。

彼らの(特に三宅くんとイノッチ)音楽性はOh! My! Goodness!に発揮されていて、今回もこの二人が軸になるのかなあと思いきや、まさかの全メンバー1曲ずつプロデュース体制を打ち出してきました。

コレ、面白くならないわけがない。

何しろ、個性バラバラな6人だから、それを生かした最高のアイディアと言っていいと思います。

ところで、V6聴いたことない人が一番驚くのがみんな歌が上手いということと、それぞれの特徴的な声質。あくまで個人的な声質の感想を書くと、

坂本くん⇒甘い声で張りと伸びがある。英語発音がエロい。サビのソロ部分をイノッチと二人で引っ張る。ドラマティックな曲が合う。

長野くん⇒透明感のあるグループ唯一のハスキーヴォイス。高めの声で、低い声を出すと男らしさの滲む音になる。エレポップに合う。

イノッチ⇒青年らしい声。甘さよりはザラっとしたカッコ良さが余韻に残る。バラードやサビが力強い曲に合う。

森田くん⇒ウィスパーヴォイス。高めの声で、どこまでも優しい声質。バラードか、少しスローめのロックに合う。

三宅くん⇒七変化する声。前はキャラメルヴォイスのみだったが、ここ数年で一気に幅が広がった。高い声も低い声も出る。彼の声が入るだけで、曲が一気に華やかになる。洋楽系の曲に合う。

岡田くん⇒甘い声。坂本くんと似ている声だが、やや舌足らずな響きが優しい。長野くんやイノッチの少しハスキーがかった声と合わせると全く違う響きと伸びに変化する。メロディラインが綺麗めの曲に合う。

まあ、あくまで個人の感覚なので実際に聴いてみてほしいんですけれども、V6に興味のない友達に曲を聴かせて一番驚かれるのは森田くんの歌声ですね(笑)

1.Never

ティクタクティクタクという秒針の音と声で始まる曲。V6の多彩な声を聴かせるためのオープニング。

単調なAメロ、Bメロに、歌うメンバの組合せを緻密に変えていくことで色を付け、サビに掛けて絶妙なソロで繋ぎ、一気にサビで畳み掛ける。Cメロも組合せの妙。そこにイノッチと坂本くんのソロがサビへと引っ張っていく仕掛け。声も曲も緩急が素晴らしい。

ダンス最高。このアルバムの中で一番好きなダンスかもしれない。シンプルなPVだが、ダンスだけでおつりがくる。特にメンバーが秒針の動きを長い手足で表現するのは絶句モノの美しさ。

2. 刹那的Night

岡田くんのプロデュース曲。

岡田くんがボクのやったことは知り合いを集めただけ、と言っていたけれど、曲は石野卓球氏、PVの振り付けのうちストップモーションは首藤氏、衣装は元コムサのデザイナーさんによる西陣織(ブーツまで!)、PV背景を彩るのはチームラボのAIカラス群というぶっとびゴージャス。

曲は懐かしのディスコダンス、エレポップ系あたりだが、一回聞いたらぜったい頭の中をぐるぐる回ること必至のサビとごろあわせが楽しい歌詞。

これにV6メンバの声が散りばめられて、物凄くカッコイイ、タイムマシンみたいな音楽になっている。

これだけあくの強い曲に負けない歌唱力に注目。

3.SOUZO

物凄く楽しいこれもちょっとひと昔前っぽい80年代を彷彿とする明るいポップス。

特に間奏の音なんかコレは懐かしいね、どこかで聴いたねという。

ニゾンで歌われるサビ部分と、各メンバーの楽しい掛け合いみたいなソロが織り交ざって、聴いているだけでうきうきしてくる。自然と身体が動き出すような曲。

女性に対して男が参った心情を歌っている歌詞が、坂本くんのカッコイイ男の声、三宅くんの可愛い少年みたいな声、岡田くんの甘い声などなど、色々で紡がれるので、楽しみ方は色々。それこそ色んな男をSOUZOできる曲になっている。

PVは翻弄する女性役で渡辺直美が素晴らしいダンスを披露している。銀色のマイクを片手にセクシーに歌うメンバー、翻弄されておどける面々、ソファに座ったカミセンをいじるトニセン、最後の三宅くんの渡辺直美へのほっぺキスにいたるまで、完璧に遊んでいる。80年代にあったような豪華さで何度観ても楽しい。

 4.Beautiful World

かわいらしいラブソング。耳あたりがいいのと、イノッチのソロが非常に美しいのがいい。

振り付けでイノッチが手を振る仕草がとてもエロキュート。

PVはもうちょっとどうにかならなかったものかと思うチープな感じで残念。

5.Cloudy Sky

私の大好きな曲はだいたいこの人なんだよね!なHIKARI氏が作った曲。

実に素晴らしい曲で、Voyagerを彷彿とさせる爽やかなメロディラインにあざやかに突き抜けるようなサビ、思いもかけぬCメロと、驚きと嬉しさにあふれた構成。

そして何かを期待させるように刻まれるリズムに最高にドキドキさせられる。

問題は秋元康の歌詞が小学生の作文だったということだけ(涙)

でもまあ、いい。とにかく美しい曲だし、メンバーの声も伸びやかにメロディラインにのっている。

何ならラララで歌っても成立するんじゃないだろうか。

PVは沖縄まで撮影しに行ったのに、題名どおりの曇り空。これもVoyageを彷彿とさせて懐かしい思い。

面白いなと思ったのはVoyagerのPVではそれぞれがひとりひとり旅をしているのがメインで、旅立つ歌だったんだけれども、今回のPVはみんなで旅の途中にいて、一緒に未来を見詰めているというところ。

10年前(だいたい?)から今まで、それぞれが色んなところを旅してきて、でも、集まる場所はここだよ、一緒にいるよ、まだ旅の途中だよ、と言っているような気がする。

6. DOMINO

こういう曲がアルバムに入っている時点で、V6はアイドルグループとは一線を画している気がする。

暗く陰鬱な曲に、哀しみにあふれた歌声がのっていて、おそらく世間一般ではあまり認知されていないV6の一面。

実際は、トニセンのLove Songもそうだけど、こういう曲を歌わせると驚くほど色気のある歌声を聴かせてくれる。

PVはCGなので特筆点なし。

7. Round & Round

長野くんプロデュース曲。

ヴァーチャルな世界で自分を失っていく世界をうたった曲で、80年代後期っぽい暗さと華やかさのある洋楽系ロック。カッコイイ。

メンバーからは意外がられていたけど、長野くんの根っこはこういう系統の音楽だと思うので(80年代~90年代初期のTVK育ちでしょう?洋楽だよね!)、合点がいったし、長野くんのハスキー声はこういう音楽にとてもよく合うし、その声に続いて意地がやけたような感情をのせた歌い方をする三宅くんが実に絶妙。三宅くんの声は感情を語るよね。

PVはこれが一番好きかもしれない。躍動感のあるメンバーそれぞれの飛び方がすごくいい。これぞV6という感じがする。コンの最初に流すショートフィルムにも似ている。

8. Remember your love

三宅くんプロデュース。

失恋がテーマのバラード。

男性が歌っている失恋の曲なんだけど、三宅くんが、「女性が聞いて納得する」歌詞にこだわりぬいたというだけあって、確かによく出来ている。

つまり、男性が自分と別れたあと、こういうふうに思っていてくれたら、哀しいけれど嬉しいな、と女性が思うような歌詞。

こういう曲には岡田くんの甘い声がすごく合う。許しちゃおうかなって気になるね(笑)

イノッチの歌う「水もやらずに枯れた花」のダブルミーニングは心に響く。イノッチの歌い方が真摯だからだと思う。

三宅くんの焦れたような訴えかけるような歌声が切ない。 最後の君のことを覚えているに至るまで、女性側から聴いて、じーんとくるという稀有な失恋ソングになった。

大抵、男性側からの失恋ソングって、ウザイだけだから。さすが三宅くん。

PVは蛍光灯で出来た部屋とか家具のところでメンバーが歌うもので、メンバーの美しい顔を堪能することができる。

正直、コンサートでこの曲を歌いながらガツガツ踊り出したのには仰天した(坂本くんも驚いたと言っていた(笑))。

あの踊りのPVも作ってほしかったなー。

9.会って話を

トニセン曲(通常版のみ収録)。

私個人の趣味としては、(再生を)飛ばす曲。ちょっと歌謡曲系なんだよね。

10.Answer

坂本くんプロデュース曲。

サッカーのテーマ曲に選ばれただけあって、高揚感のあるロックソング。

オープニングの音だけはありきたりすぎていただけない。

それ以外は凄く聴いていて爽快だし、歌うと気持ちいいだろうなーというメロディライン。勿論聴いてて超気持ちいい。

あくまで歌いだしを森田くんにこだわったおかげで、ありきたりのオープニングから一気にV6の土俵に持ってこれた感がある。

個人的には岡田くんの声が矢鱈に可愛くて気に入っている。声を張ると舌足らずになるというのは凄くいい。

あと、イノッチも甘い声を出しているので好き。

三宅くんの声がスパイス的な役割を果たしているので、ただの応援ソングとは一線を画した曲になった。

PVはみんなが歌っているだけで、まあ歌ってるだけでもいいんだけど、それならそれで、映像的にもうちょっと捻りがあっても良かったんじゃないかなあと。

11.Can't get enough

名曲。この一曲のためだけにアルバムを買ったとしても損はしない(断言)

半分以上を英語で歌っているが、ちゃんと英語教師をつけて発音を習って歌ったので、日本人が英語歌ってる感はまるきりない。寧ろ、日本語が入ってきたときに、あれ、これ洋楽じゃないの?くらいの感じがする。

曲も歌詞もすべてがパーフェクト。

歌い分けもパーフェクト。

すべてが正しいところに収まっていて、聴いているだけで幸せになるし、何度聴いても飽きない。

この曲でファルセットヴォイスを全メンバーが手に入れたことで、音楽の幅がこれから先、物凄く広がっていくんじゃないだろうか。

PVも最高。椅子を持たせたらV6の右に出るグループはいないというくらい、椅子との親和性が高い。もう椅子のV6と言ってもいい。エロい。古今東西、椅子でダンスといったらエロしかない。

それに加えていきなりジャンプしたりこちらを指差してきたりするから、死ぬわー、ほんと死ぬわー、とかいいながら見る。指の間からちらちら見るようなブツだと思う。

子供は見ていいのか?いいのか。いや、寧ろこういう美しいものを観て育って欲しい(真顔)

ちなみに誰がどこを歌っているかはシングルを買うと歌詞カードに書いてありますぜ。親切!

あー、しかしいい曲だな。コレね、聴きながら書いてるんですよ。こっから先に進まねえって話ですよ。

こんないい曲やられちゃったら、あとがねえじゃんって思うわけですよ。あるけど!

12.Get Naked

カミセン曲(通常版のみ収録)。

最近かわいい曲が多めになっていたカミセンが久々に攻め込んできたな!という曲。

CD音源ではそんなに好みではなかったがコンで大化けした。しまった、ライブ用の曲だったんだな。

13.ボク・空・キミ

森田くんプロデュース曲。

ウィスパーヴォイスを最初から前面に押し出した非常に美しいバラード。

家族とも恋人とも友達とも取れる愛情のこもった泣ける曲だと思う。

歌詞が実にいい。

ただ、時々、ボイスチェンジャーが効きすぎている感もある。この曲調だったら普通に歌声そのままで良かったのではないかと思うのだけれど、もしかしたらPVと重ね合わせてみると、ちょっと水の中のような効果を狙ったのかも知れない。

いずれにせよ、落ち込んだときに聴いてちょっと泣きたいときに寄り添ってくれる名曲。

PVは折角、森田くんが頑張って水にもぐったのに、何がどうなってるのかあまりはっきりしない映像に加え、ドラマ部分もボカシすぎ、メンバーの歌っているシーンに至っては全く他のドラマ部分とのリンクが無いため、テーマが伝わりにくいというか正直意味がわからないPVになってしまった。残念。

14.COLORS

V6十八番の応援ソング。

ストレートな歌詞と、優しい歌声で、元気のないときに聴きたくなる曲。

こういう曲になると岡田くんの声がすごく映える。

飴と鞭じゃないけど、甘い声のメンバーと、励まし声のメンバーが畳み込むように慰めてくれる。さすがV6。説得力と包容力が半端ない。

PVはもうちょっと色調を明るくできなかったものかと(暗いんだよね…)でもまあ、かわいいです。きみたちは妖精か!って思う。

15.レッツゴー6匹

井ノ原くんプロデュース曲。

レキシ(というグループ名?存じ上げないので言及しない)がV6のこれまでの曲のタイトルから歌詞までみごとに散りばめてくれた。

ファンは聴いててすごく楽しいし、これまでのV6の歴史を知らない人でも有名なヒット曲のタイトルや歌詞の一部を宝探しみたいに楽しめる。

イノッチがこだわりぬいたラフなユニゾンはWonder Worldを思い出すワクワク感。

PVもすごく可愛い。アニメと実写の組合せで、挟み込まれる短い動画はイノッチが携帯でメンバーを撮影したもの。だから、メンバーの表情がいつもと全然違って、イノッチに向ける顔なんだよね。これは貴重。さすがイノッチ、ファンのニーズをよくご存知で。

16.The One

アルバムのタイトルを冠したラストを飾る曲。

ジャスミンを彷彿とさせる曲調で、意外にかわいく爽やかに普通で、あれ?なんか懐かしい感じ?ユニゾン多めだし。イノッチと森田くんのCメロも意外性なし。安心して聴ける感じ。

このアルバムの中で一番、「いつもの」感じがする曲を最後に持ってきて、ちょっと微笑んで終わる感じがV6らしいといえばらしい。

てっきり大仰な涙モノの曲が最後に来ると思っていたので、こういう可愛い曲がいきなり最後にぽんと置かれると、逆に心が温まる仕掛けと見た。

Be together, we're the oneなんて優しい言葉を最後においてくれてありがとう。

4年ぶりのアルバムで、相変わらずの優しさを届けてくれて、本当にありがとう。

これからもどうぞ宜しく。

以下、アルバムをまだ買ってない方向け==========

さて、アルバムは3種類ございます。

ざっくり言うと、A版にはブルーレイ特典映像で全曲PV付、

B版にはDVD特典映像でドリームフェスティバル出演時のノーカットライブ映像+トニカミ対決ゲーム映像

通常版にはトニセン曲「会って話を」とカミセン曲「Get Naked」が収録されています(AとBにはこの二曲は入っていません)。

V6がどんなライブをしているのか観てみたい!という方はBを。

V6がワチャワチャしているのを観たい!という方はやっぱりBを。

V6の世界を映像でも味わいたいという方は豪華PV付のAをどうぞ。

AとBは数量限定ですが、通常版は限定版ではございませんので焦らなくて大丈夫だからです。

ちょっとお値段はAとBの方が高いですが、どちらを買っても損はしません。寧ろ得。この値段でこの特典!?というクオリティです。

V6知りたい!って方はBがいいんじゃないかなーというのが個人的な感想です。

PVも素敵だけど、ライブ凄いからね。

詳しいことは下記でご確認ください。PVのトレイラーも観られます。

avex.jp