イムデベ!

個人的偏見と傾向による映画・音楽・本紹介&レポ

間違いなくハッピーになれる80年代映画3選!

今日はすごい嫌なことがありましたね!

都民のみなさんがそんなまさか、

全然エコでもなんでもない金食い虫のオリンピックファーストで、

橋赤く光らせてトーキョーアラート☆って叫んでみたり、

果てはウィズ・コロナとかもう何言っちゃってんのこの人大丈夫?

アレ

これから4年間耐え忍ぼうと思うほどのマゾだなんて思ってないですよ。

ちゃんとわかってます。

 

しばらく日本のことは忘れましょう。でないと気が狂う。

 

というわけで、間違いなくハッピーになれる80年代映画3選!!

 

80年代の映画はだいたいハッピーになれるものが多いんだけど、その中でもあまり再上映されない、日本では忘れている人が多そうな映画を3つ選んでみました。
ファッションもすごく可愛いし、音楽も楽しい!

1.「フェリスはある朝突然に」

フェリスはある朝突然に - 作品 - Yahoo!映画

当時激マブ(死語)だったマシュー・ブロデリック主演の青春コメディ映画。


フェリスという名の型破りな高校生が「今日は天気がいいから」学校さぼろう!って決めて(カミュの太陽が眩しいから人殺すの80年代版か)、内気な友達やGFを巻き込んで大騒ぎに発展する1日限定のパーティムービー。


当時は日本でも一世を風靡する人気になった。
何しろ、フェリスが馬鹿かっこいい。
ルールなんかクソくらえ、楽しくやろうぜ!っていう姿勢を最初から最後まで貫いて、うっかりした自責の念だとか、社会としての常識だとか、90年代以降の映画には必須になった反省タイム無しに(いやちょっとはしたか?記憶に残らない程度だが)文字通り突っ走る。

ポップコーンを用意して、音量をあげて(80年代のポップムービーだから音楽も最高にハッピーだ)ゲラゲラ笑って観よう!

 


Ferris Bueller's Day Off (1986) - Trailer

 

2.「マネキン」

あの人は今?】TVドラマで活躍する映画『マネキン』の出演者たち (2019 ...

80年代恋愛映画といったらこの人、のアンドリュー・マッカーシー主演の恋愛コメディ映画。

さえない主人公がかつて作ったマネキンと再会。

マネキンと一緒にいるためデパートで働き始めたある日、マネキンが突然動いて話し出す。

彼の前でしか動けないマネキンと彼は恋に落ち、二人で素晴らしいショーウィンドウディスプレイを作り出す。

そこへ彼の秘密を狙って悪人どもが襲ってくるドタバタコメディ。

 

マネキン役は「セックス&ザ・シティ」で有名なキム・キャトラル。当時の美しさはまさにマネキン。

キム・キャトラルが可愛いすぎて胸がいたい。80年代ラブコメの傑作 ...

悪役としてものすごいキモさで大活躍するのは当時美貌を誇ったジェイムズ・スペイダー。美貌を台無しにするハチャメチャ演技に爆笑間違いなし。

MRW I saw James Spader in 1987 classic, MANNEQUIN : TheBlackList

いや待てよ。。。ボストン・リーガル以降のスペイダーしか知らない人には美貌といわれてもぴんと来ないかもしれないけど、80年代から90年代初頭にかけてはアンドリュー・マッカーシーとロバート・ダウニー・Jr、そしてジェイムズ・スペイダーが青春ラブ物の三大巨塔だったのだ(本当)。

まあ、スペイダーは悪役のが多かったんだけど(笑)

James Spader, 1980s- from my favorite movie of all time!!! "Pretty ...

悪役にならざるを得ない美貌・・・まさかあんなにお太りになるなんてこのときは微塵も思わなかった(遠い眼)

 

主題歌は当時大ヒットとなった80年代を代表するスターシップの「Nothing's gonna stop us now」


Mannequin (1987) / Starship - Nothing's Gonna Stop Us Now (Music Video)

 

3.「スプラッシュ」

トム・ハンクスは若い頃むちゃくちゃ可愛かったことをご存知ですか。
80年代のトム・ハンクスといったら、もう本当に可愛かった。

Splash Tom Hanks Movie Quotes. QuotesGram

そもそも80年代は可愛い男の子がうけた時代なんだと思うんだけど、それにしたって可愛かった。頼りない感じがなんともいい。


主人公は成功したビジネスマンだが、愛する人を見つけられずにいる。ある日海で溺れて人魚に助けられる。
美しい人魚は濡れると下半身が魚になってしまうけれど、乾いているときは人間の脚を持つことができる。彼女は正体を隠して主人公と恋に落ちる。
しかしある日正体を暴かれ、研究所に囚われてしまい……というラブストーリー。


コメディ要素もたっぷり。何せジョン・キャンディがトム・ハンクスのお兄さん役なので、そこは安心して任せられる。
人魚役はダリル・ハンナ。とにかく美しいし、正体を隠して危険を承知で恋に一生懸命な姿が超キュート。これは全米が惚れるよ!

Splash: Tom Hanks, Daryl Hannah, Ron Howard reunite for charity

それにしてもワッフルヘアー可愛いな。これ、また流行ってもいいよな


Splash (1984) - Trailer

 

楽しい映画観て、元気だしましょうね・・・!

デヴィッド・テナント祭り~Recovery(2007)海賊じいちゃんの贈りもの(2014)バッド・ディシジョン(2018)

3本一気に紹介するよ!

それにしても改めて、テナントのふり幅の広さと、肩幅の狭さに感嘆。

 

「Recovery」

2007年BBC制作、TV映画。
テナント演じる主人公アランは家族を大事にする普通のサラリーマン。
ある日、ちょっとした不注意から事故にあって頭部に損傷を負ってしまう。
かろうじて一命は取り留めるものの、脳に高次機能障害が残る。
以前の夫と違う彼に戸惑う家族と、自分が自分の思うとおりにならない苛立ちを抱えるアランが、どう生きていくかを模索する物語。

非常によい出来ですが、残念ながら日本版はありません(いつものことですが)。
というか、そもそもDVDにすらなっていないという、え?なんで?(不思議)

脳の損傷によってアランの性格や行動がどう変わるか、
アランにとって世界がどう見えるか、
というところが非常に誠実に描かれていて衝撃的でした。

視覚に入っていても知覚できないということは聞いてはいたものの、実際になるほどこういう感じなんだというのを映像とテナントの演技で初めて知ったように思います。
テナントは高次脳機能障害を負った人をサポートするケア施設を訪れて演技を構築したとのことで、今でもその団体をサポートしています。

本当に良い映画で、人と人との結びつきに必要なものを考えさせられる物語でした。
未見の方は是非。

テナン度 ★★★★★ 繊細で脆くてやばい感じ
サービス度 ★★★★☆ 病院も酸素吸入器もラも何もかもあるが真面目な映画なので気が引けて☆ひとつ減らしました

トレイラー無いのでインタビュー置いておきます。

 


David Tennant on Recovery ('Sunday AM' interview)

 

「海賊じいちゃんの贈りもの」

2014年ファミリーコメディ映画
原題は「What we did on our holiday」。
なんとマコーレ・カルキンの映画のリメイクだそうです。


『海賊じいちゃんの贈りもの』予告編

スコットランドに住む父親が病気で余命わずかということで、主人公ダグは別居中の妻子を連れてスコットランドの田舎まで父親の誕生日を祝いに行く。
ダグの兄は事業に成功して父と共にスコットランドの豪勢な家で暮らしているが、家族の気持ちはえばりやの兄から離れつつある。
ダグは自分たちが別居していることを知られないように嘘をつくが、子供たちは祖父が大好きで、祖父にはバレている。
誕生日のパーティの日、見栄っ張りな兄が仕組んだ盛大なパーティに出たくないじいさんは子供たちを連れて浜辺に遊びに行くが・・・。

えーっと、ファミリーコメディです。
ダグは可愛いですが、残念なことに
本当に残念なことに、

パーティシーンでもキルトを履きません(なんでだよ!)

What a pair of pins: David Tennant dons a kilt for What We Did On ...

プレミアでは着ていたのに・・・製作陣何を考えているのだ。

まあ、その代わりに一応腹は見せてくれます。
たぶん、テナントが渾身の逆ダイエットでちょっとダメ父を演じるために脂肪をちょっぴりつけた腹を。

テナン度 ★★★☆☆ ちょっとフニャっとしたテナが観たい人にオススメ。腹が。
出現率 ★★★☆☆ 基本、じいさんと子供が主役。

 

っていうかさ!!
じいさんを演じたビリー・コノリーに物申したい。
あんた、アイリッシュのゴッドじいさんじゃねえの!?(@処刑人)

The Boondock Saints (1999)
なんで、スコティッシュのふりを……グラスゴー生まれ??思いっきりスコティッシュじゃん!!

ぼくたち、裏切られていた!

 

「バッドディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり」
原題「Bad Samaritan」2018年作品
なんというか、始まる前に終わってたみたいな内容がないようですが、一応トレイラーとあらすじ。


映画『バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり』予告編

 

あらすじ:
アートな写真家を目指す青年は将来有望な女子大生をガールフレンドに持つ一方、悪友とつるんで空巣で日銭を稼いでいた。
ある日、いつものように空巣に入った家で、女性がマニアックな監禁をされているのを目撃してしまう。
青年はあの女性を助けなければという使命に燃えるのだったが、一方で、女性を監禁していた家の主に眼をつけられてしまい、いたぶられ始める…

えー、主人公の成長モノ的要素を挟みつつ、
結局別に成長しないし、する価値もないという、
ぶっちゃけた話がB級映画ですが、観る価値は十二分にある。

1.テナントが金持ちボンボンの役である
鼻持ちならない金持ちボンボンをやっているときのテナントの美しさは平伏に値する。
8:2分けのタイトなヘアスタイルで高級車乗り回すぞ。

2.テナントが細い身体で力持ち
いつものことだが、何度見てもたまらない

3.テナントの眼が狂気
いつものことだが、何度見てもたまらない

4.テナントが柱一本分
にすっぽり隠れてしまうことが判明。よくわからないがマニア心を直撃した。
柱がジャストサイズなんだね!(語気荒めに)

5.テナントが美しいままである
ボコりボコられボコッボコーみたいな作品であるが、監督は良くわかっているものと見え、テナントのご尊顔に無体なことはしない。脚本がこれだけ破綻していることを考えれば、驚くべきナイス判断

6.サービスシーンがある
どんなサービスシーンか言うとネタバレになるので言えないが、なんかすごく…え、コレ観ていいの(顔を赤らめる)的な…


出現率  ★★★★★ 主演ではないが神出鬼没なので出現率は高い。後ろー!後ろにテナントおるでー!
テナン度 ★★★★☆ 眼が怖い

こんなときなのでオススメのパーフェクトな映画3選~3.「マーラー」

ケン・ラッセル監督作品。主演はロバート・パウエル。
制作は1974年(!)で諸事情あって1987年に日本初公開されたという古い映画なので、まずはトレイラーでも観てもらわないことにはどなたも観る気がしないだろうということで、まずはこちらをどうぞ↓


MAHLER (1974) - Theatrical trailer

 

予告編が想像以上に支離滅裂で困惑しかないが、大丈夫。

 

本編もこんな感じです!


作曲家グスタフ・マーラーの全生涯を、なんと電車に乗り込んでから降りるまでという短いスパンの間に全部見せちゃうという驚きの構造がパーフェクト!

 

伝記映画にありがちな冗長さは一切なく、
かといって生涯の一部分だけを切り取るのでもなく、
伝記映画にあるまじき悪夢のような幻影が怒涛のように押し寄せるトンデモ映画。

 

ケン・ラッセル監督って、好きな人は好きなんだろうけど、という前置き付きで、基本的にあまりにぶっとびすぎてて、ナニコレ・・・って眼が点になる映画の方が多いんですよね。

 

ジュリアン・サンズが全裸で屋根の上で絶叫する「ゴシック」とか(ありがとうございました)
ヒュー・グラントが半裸で寝起きで剣振り回して蛇退治の「百蛇伝説」とか(本当にありがとうございました)。

 

そのぶっとびっぷりというか、悪趣味スレスレの描写が、がっつり嵌ったのがこの映画「マーラー

ハンサムなマーラーの女性関係に苦しめられる妻アルマを、マーラーの影として描き、アルマの荒れ狂う魂も余すことなく幻覚と回想で見せてしまう強引展開。

そう、突然繰り広げられるザ・ラッセル幻覚ワールド。
そして乱入するベニスに死す(トーマス・マンが原作書いたとき主人公のモデルがマーラーだったらしい)。
クライマックスはワーグナーの妻、コジマ・ワーグナーと繰り広げる想像の斜め上をいく改宗シーン。

 

ところで、アルマ・マーラーは当時有名なファム・ファタルで、実は夫よりもモテた。
画家のオスカー・ココシュカのミューズであり、結婚前も中も後も、数多くの男性が彼女に夢中になった。
おそらく物凄く頭の良い女性だったと思うんですけど、
それでも結婚してしまえば夫を支えることを求められてしまう、その苦悩もしっかり描かれてます。

どうやったんだかわかんないんだけど、観終わると描かれてるんですよ…


マーラー(本人)とロバート・パウエルが物凄く似てます!
こちらがマーラー(本人)。

 グスタフ・マーラー:交響曲第4番 ト長調「大いなる喜びへの讃歌 ...

 

それにしてもなぜ私はこの映画を観ようと思ったのか(もちろんリアルタイムでは観てないので、最初はレンタルして嵌ってメディアを買ったんだと思うですが)。
ロバート・パウエルがとんでもないハンサムだからか? でもこの映画観るまで知らなかったけど・・・。

 

ついでなので「ゴシック」のトレイラーも置いておきます。ジュリアン・サンズは「モーリス」出演を断ってこの映画に出たと言われています(代わりにヒューグラを差し出したという噂。本当か嘘か知らんけど)。


日本版予告篇 / ゴシック

 


こちらは「白蛇伝説」。ヒューグラが美貌を無駄使いしていた頃です。


The Lair of the White Worm (1988) ORIGINAL TRAILER [HD 1080p]

これ映画館でうっかり観ちゃってさー、爆笑が止まらなかったんだけど(笑)

なんなんだろう、この映画・・・


ちなみに「ゴシック」はシェリーとバイロンとその愛人、友人が一度に会して「ドラキュラ」「フランケンシュタイン」を生んだ有名な「ディオダティ荘の怪奇談義」を描いた作品で、ジュリアン・サンズシェリーを演じていますが、同じ題目を描いた映画「幻の城」ではヒュー・グラントバイロンを演じています。
私はケン・ラッセル版よりこちらの方が好き。
ヒューグラの美貌がきちんと活かされている稀有な映画です(たぶん「モーリス」と「幻の城」だけがヒューグラの若い頃のむちゃくちゃな美貌をうまく扱えた)。
これもトレイラー置いておきます。

あ、トレイラーなかった。シーン抜き出しの置いておきますね。


ROWING WITH THE WIND EXCERPT


何を勧めているのかわからなくなってきましたが、ケン・ラッセルの「マーラー」。
一度観たら忘れられないやみつき映画です。ぜひ。

こんなときなのでオススメのパーフェクトな映画3選~2.「落下の王国」

原題「The Fall」ターセム監督作品。2006年。

予告編は盛大にネタバレを含んでいるので下の方に貼ります(なんでなんだ)

 

主演は当時無名に近かったリー・ペイス。なぜ、無名に近かったかは後述。
監督はターセム・シン。前作が「ザ・セル(The Cell)」なので、てっきり最後が「ll」で終わる作品を撮り続けるつもりだと思ったが違った(3作目は「イモータルズ(Immortals)」複数のsがつかなければlで終わったのに)。

【ストーリー】(ネタバレなし)
舞台は「むかしむかしの」ロサンジェルス
主人公ロイは映画の撮影中、スタントで落下して大怪我を負い、病院で動けなくなっていた。
そこへ、オレンジの収穫中に木から落ちて腕を骨折した少女アレクサンドリアが現われる。
ロイはアレクサンドリアをベッドの傍らに呼び寄せ、「落下仲間」として、物語を聞かせる代わりに言うことを聞いてもらう約束をする。
ロイの話す物語はアレクサンドリアの頭の中で、自分たちふたりをはじめとした病院の看護婦や氷の運搬人の形をとって色鮮やかに再現されていく。
だが、楽しかった冒険物語はいつしかロイの精神状態を強く反映し、暗い影を帯び始める。

冒頭、モノクローム映像から始まるシーンから、世界各国の色鮮やかな映像を経て、ときに実験的な映像を挟み込み、最後の最後に至るまで、完璧に美しい映画。
おそらくこれ以上に美しい映画というのはこれまでもこれからも存在しえないのではないかと思う。

体の自由を失い絶望に陥ったロイに対し、その物語を必死に聞く少女アレクサンドリアがめちゃくちゃに可愛い。監督もコメンタリーで「彼女の手が可愛い」と絶賛しているが、本当に癒されるかたちのぽったりした子供の手をしている。
ロイは病室にいるときは神経質そうな線の弱い青年だが、アレクサンドリアの想像の中では精悍で勇敢な戦士だ。とても素敵で、どんな美女も恋に落ちる。
アレクサンドリアは現実でも想像でも、勇気のある少女だ。何も疑わずにまっすぐに生きている。

眼を奪うのは冒険物語の舞台となる世界各国の風景と世界遺産の数々。特にカメラが初めてはいるところもあり、こんなものが存在するの?CGじゃないの?と思うところも。
しかも衣装は石岡瑛子が手掛けているので、これもまた眼を瞠る奇想天外で美しいものばかり。
見所だらけで眼が忙しいかと思いきや、ものすごくタイトにまとまったストーリー展開と、破綻のない構造で、とっちらかったところ、ほころびひとつ見つからないというまさに奇跡の映画。

この映画を観たことがひとつの体験であり、宝物になる。そういう類の映画だと思います。

以下、ネタバレあり改行します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


映画「落下の王国」予告


監督自ら8、9年かかって探したという主演をつとめる少女カティンカ・アンタルーちゃんがいなかったらこの映画は成立しない!というくらい、このカティンカちゃんのピュアさが凄い。
たぶん、この子が出てきた瞬間に泣くひとは私だけじゃないはず。
ものすごいノスタルジアを感じさせる少女だと思う。
観客ひとりひとりがこの子を観たとき、自分の子供時代を思い出してしまう。不思議な魅力のある女の子。

主演のリー・ペイスは当時、ほとんど知られていなかった。
というのも、主演映画はたった一本。それもTV映画で、トランスジェンダーの役だったから、素顔の彼を見て判別できる人はほとんどいなかったはず。
それをいいことに(と監督が言っていた)、監督はカティンカちゃんを含む共演者に彼が実際に下半身不随の俳優で車椅子でなければ動けないということにした。もちろん、演技初体験のカティンカちゃんをおもんばかってのことだと思うが、監督とスタッフのうちほんの数名(彼のメイクアップ等、どうしてもバレてしまう相手)以外には秘密だったというのだから徹底している。

カティンカちゃんは動けないロイというかリー・ペイスに恋に落ちてしまった(可愛い)。
ラブレターを書いてみたり、ロイの前でしかお話しなかったり。
そこで監督は一計を案じ、なんと隠しカメラで二人を撮影することまでやってのけた。本編にあるカーテンで締め切った病室シーンは隠し撮りだ(監督怖い)。
更に、ロイがアレクサンドリアを怒鳴ってアレクサンドリアが泣き出すシーンでは、カティンカちゃんがリー・ペイスを好きなあまり全然泣くことができず、仕方がないので、監督はリー・ペイスにカティンカちゃんを本名で叱るように命じた(監督怖い)。
劇中、ロイが怒鳴って彼女が泣き出すシーンは、上からアテレコで声をかぶせているが、唇の動きは「カティンカ!」と叫んでいるのがわかる。それで本当に泣き出しちゃったカティンカちゃん可愛そう。
でもそういう真実の涙だからこそ観客の心を掴むのかも・・・カティンカちゃんが泣いてるとこちらも泣けてくるし、怒ってるとこちらも怒りがわいてくる。
彼女の怒りは、前に進むパワーだ。

さて、そんな彼女も病院シーン撮影後にリー・ペイスの秘密を知って、冒険シーンに臨むことになる。なんと2年後。
そう、冒険シーンのカティンカちゃんは2年後のカティンカちゃんなのだ!(だから歯が抜けてる・・・可愛すぎかよ)

尚、カティンカちゃんはその後、女優を目指して勉強中!
またどこかの映画で出会う日も来るのかもしれない。

リー・ペイスは、「プッシング・デイジー」で一躍TVドラマの人気者になり、その後は「ホビット」でスランドゥイル様を演じるなど大躍進。
でも、カメレオン俳優すぎて、ロイはどこにも見当たらない・・・ロイはこの映画だけに存在するんだなあと妙な感慨に浸ったりしてしまう。ロイ、好きなんだよなあ。なんか頼りないんだけど。

尚、初回だけかな、特典映像としてDVDには(他メディア未確認)ターセムのコメンタリ、ロケーション紹介、ターセムのショートムービー、未公開シーンなどが含まれております。

ここに書いた情報は概ねターセムのコメンタリに拠るものです(しかもウロだから間違えてたらごめんね)。

 

ちなみにリー・ペイスが「落下の王国」前にTV映画で主演をはった「Soldier's Girl」、日本では残念ながら観ることができませんが、実際の話に基いた兵士とトランスジェンダーの女性の恋の物語で、非常に良いので、機会がありましたら是非・・・。リー・ペイスが女性以上に美しい女性を演じています。


Soldier's Girl Trailer


Soldier's Girl - BTS Lee Pace to Calpernia Addams

こんなときなのでオススメのパーフェクトな映画3選~1.「ベルリン 天使の詩」

ヴィム・ヴェンダース監督作品。1987年。

主演の俳優たちは皆さん、天国に行かれてしまいましたね。早い。
公開当時、単館上映だったのが口コミで広がって、劇場のビルをぐるりと並ぶ列ができてニュースになったことを懐かしく思い出します。
私は映画館に行けなかったので(年齢的に)、あとでレーザーディスク(!)を買って観ました。
今でも、いちばん好きな映画は?と聞かれたら迷いなく、コレを答えます。

(トレイラーを貼ろうと思ったのですが、日本語版トレイラーはガチでネタバレな上に外国版にはトレイラーが無かったので、最も美しいシーンのひとつ(ネタバレなし)の図書館シーンを貼っておきます)


Symphony of Thought Wings of Desire 1 4 Movie CLIP 1987 HD

【ストーリー】(ネタバレなし)
天使ダミエルはベルリン(当時はまだベルリンの壁が崩壊する前)を見守っている天使のひとり。
友人のまじめな天使カシエルと、人の営みを見守り、報告し合っている。
彼らは人の心の声を聞くことができる。
直接関与することはできないが、人の心をほんの少し落ち着かせたり、癒したりすることができる。
彼らを見ることができるのは子供たちだけ。
ある日、ダミエルはサーカスのブランコ乗りの女性マリオンに恋をする。
マリオンのためにダミエルは人間になりたいと願うようになる。
そこへ映画撮影に訪れた俳優ピーター・フォークが現われて……。


天使の見る世界は白黒。人の見る世界はカラー。
仕掛けはほぼこのふたつだけというシンプルな設定で描かれるファンタジー
とにかく、台詞と映像の極限まで削られた美しさが際立っている。
天使たちは人の始まり以前からこの世界にいるので、戦争の記憶も、街にオーバーラップされて甦る。
当時のポツダム広場や、ベルリンの壁には戦争の跡が色濃く残っており、天使たちの眼から観た戦争という斬新な視点(彼らは天使なので東西ベルリンを行き来できる)と共に、戦争の悲しさも織り込まれたラブストーリーになっている。
マリオンは天使ではないけれど羽をつけてブランコに乗る美しい女性。夜になると地下のライブハウスで、ニック・ケイブの音楽に身をゆだねる。
地上では図書館を包むロバート・プティガンの天上の音楽。
ベルリンの地下を揺らすニック・ケイブの低音。
その体に触れたいと思うダミエルと、そんな友を複雑な思いで眺めるカシエルの対比が切ない。

実はこの映画、脚本はなく、ペーター・ハントケ(昨年ノーベル賞を受賞)の書いた詩だけを頼りにヴィム・ヴェンダースがほんの数週間(4週間だったかな)で撮った作品。
途中までピーター・フォークもキャスティングされておらず、そのために、他の映画とはまったく違うリズムの映画になっている。
心を落ち着かせるダミエルの声や、ベルリンの日常の音、最高の音楽、それから美しいモノクロ映像、どこをとってもパーフェクトな映画。
人であることの美しさに気付かされ、慰められます。
無心になりたいとき、落ち着きたいとき、落ち込んだときにおすすめです。

#尚、リメイク版を騙っている「シティ・オブ・エンジェル」は

#全く異なる作品ですので、お気をつけください。

#観る価値ゼロのパクリ映画です。

 

※以下、ネタバレあり。改行します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

個人的には、私はカシエルが大好きで、オットー・ザンダーのちょっと人をからかっているような笑みだとか、硬質な美貌だとかが、すごくカシエルを魅力的に見せてると思うんですけど、彼が図書館で老人の語る心の声を聞いているときの優しさ、自殺しようとしているひとを助けられなかったときの慟哭、そして友が天使でなくなっていくのを見守るせつなさが、本当に思い出すだけでも、胸がぎゅっとなる感じです。観てほしい。
実はこの映画、続編があって、「ファラウェイ・ソー・クロース」というタイトルでカシエルが人間になる話なんですけど、こちらはちゃんと脚本があるのでだいぶ雰囲気が違います。
もし、「ベルリン・天使の詩」がすごくすごく好きになって、カシエルのその後が知りたい!と思ったかたにはお勧めしますが、カシエルにそこまで思いいれが無い方にはオススメできない映画となっております。
でも、ウィレム・デフォーも出演していて、かなり豪華。
ちなみにテーマ曲はU2が歌っていて、そのPVはヴィム・ヴェンダースが撮ったので、カシエル役のオットー・ザンダーが人間役、U2が天使役で出演しています。これはオススメ。


Stay Faraway, so close ! U2


ダミエルは人の世界がすごく好きな天使なんですね。
人の世界っていうか、人、かな。
カシエルは戦争のこともあるからちょっと引いてるところもあるんですよ。
人の営みを眺めるのは好きだけど、その中に入っていこうとは思ってなかったというか。
ダミエルはほんのちょっとしたことでも憧れてて、それがとてもかわいらしい。
人になったとき、初めて見る色に心を奪われて、子供みたいに「あの色は?あっちの色は?」って、ベルリンの壁に絵を描いてた人に聞くんだけど、聞かれたほうも教えているうちに嬉しくなっちゃう。
コーヒーでも飲めよってお金をくれる。
そういう、ほんの少しの優しさを、ダミエルは愛してて、それがすごく心に沁みる。普段忘れちゃってる優しさだなあって。
で、コーヒーを飲むとかじかんでいた指先が温まる。そのことにも感動するわけ。
それも、私たちが子供のときに体験して、今では忘れていることなんだよね。
そんなふうに生きているということをひとつひとつ、輝いている宝石のように見せてくれるダミエル。

一方、ピーダー・フォークはピーター・フォーク役で出てるんですけど、元天使なのね。
で、ダミエルに色々そういうことを吹き込むわけ。
人間になったら、こういうことができるよ、ああいうことができるよって。
でも、彼も今は人間だから、心の中で色々なことを考える。
すごく矛盾していて、とっちらかっていて、でも誰かが聞いたらくすっと笑っちゃうようなことを。

徹頭徹尾、優しい映画です。
だから、たぶん、続編は優しくない映画になってしまったんだと思うんですけど、「ベルリン・天使の詩」はベルリンの壁がある世界で、最も優しい映画だと思います。

この映画、先にも書いたように脚本もなく撮っているのでアウトテイクがかなり沢山あるんですね。
長いものだと、ラストシーン、人になったダミアンとマリオンが出会って恋に落ちるシーン。
あれを最初、ヴェンダースはカシエルも人間になっているという話にして、三人でパイをぶつけ合うというシーンを撮っていて、これがものすごくバカバカしいんだけど、可愛い(笑)
間違いなく、このシーンを映画に入れてたらぶち壊しだったんだけど。

あと、カシエルが大好きな図書館の老人役の人は本当に年の方で、撮影中、しょっちゅう気を失って倒れるふりをしていたそうで、そのたびに傍に立っているオットー・ザンダーが抱きとめていたそうです。
で、抱きとめると、ヒヒヒと笑って、「私の天使」とオットーを呼んでいたとか。

この映画、撮影は伝説のアンリ・アルカンが手掛けています。
どんだけ伝説かっていうと、コクトーの「美女と野獣」は彼がまだ若かったときの作品で(なのでコクトーの撮影日記ではよく怒られている)、その後は様々な有名というか伝説映画を撮影。
ローマの休日」もアンリ・アルカンが撮影した映画のひとつです。
ヴェンダースが天使の世界を白黒と決めたときに、白黒を撮るならこの人!と呼んだとのこと

それにしても、マリオンを演じたゾルヴェイク・ドマルタンは40代で、カシエル演じたオットー・ザンダーとダミエル演じたブルーノ・ガンツは二人とも70代で亡くなってしまいました…この美しい映画が観られることなく埋もれずに、いつまでも人の心を優しくしてくれる映画として観続けられるといいなと思います。

長い映画なので、STAY HOMEのあいだに是非。

最後に地下で轟音を響かせるニック・ケイブの曲を映画のシーンから(これは映画のラストシーンなので、是非本編を観てから)。


From Her to Eternity - Nick Cave & the Bad Seeds

2019年総括

 

覚えている限りで2019年の映画,本,CD等を総括してみました.
自分用のメモみたいなものなので,非常に身勝手で率直な感想や評価をつけています.
それでもイイちうかたのみドゾ.
気に入ったやつには一応短いあらすじにもならない紹介文をつけてみました。


昨年ほど読書をサボった年があるだろうか。いや、無い。これは…酷い。

1位「パワー」ナオミ・オルダーマン
2位「メロン牧場」(全巻)
3位「グッド・オーメンズ」ニール・プラチェット、ニール・ゲイマン(共著)

ちなみに3位の「グッド・オーメンズ」に関してはアマゾンプライム実写化スクリプトブック(原著)
も読んだので、その評価込みで3位。

1位は文句なしに「パワー」

パワー

男女(の力関係)が完全に逆転した世界で、著者(男性)が編集者(女性)のご機嫌を取りつつ、
かつてはるか昔に男の方が力を持っていた時代の歴史書を書くという設定。
この設定からしてかなり捻っていて、最初の二人のやり取りを読むだけでも唸らされる。
これはいかにこの世界において女性が低い地位に甘んじることを強要されているかを知らしめ、
その上で、女性たちが何を望むのか(男女が完全に平等な社会か、それとも今の男性の持つ
力を女性が持つ逆転世界か)を問い掛ける作品だと思う。
力を持った女性が男性にやることに対して「それはやりすぎでは」と思う自分がいることには心底驚いた。
なぜなら私たちは同じことをやられていて、男性は「やりすぎだ」なんて思ってもみないだろうから。
男性がもしこの小説を読んで自分たちが何をしているかに気付くことができたなら、
世界はもうちょっと良くなるかもしれない。
ちなみにオバマ元大統領が勧める本のうちの1冊にも選ばれている。

2位に挙げた「メロン牧場は、これ6巻だっけ。今出てるの。

電気グルーヴのメロン牧場―花嫁は死神〈6〉

ロッキンオンという私が大嫌いな雑誌に載ってる(散々MUSEをディスっておいて売れたら提灯記事を書くような雑誌だ)電気グルーヴの対談をまとめた本なんだけど、これがめちゃくちゃに面白い。
多分、2019年の読んだ本の冊数が減った原因の3分の1はこれを1巻目から6巻目まで一気に読みまくったせいだと思う。
むっちゃくちゃに面白いから。ほんと。
但し、読む人を選ぶ…気はする。
何の話をしているかわからないひとにはわからないというタイプのブツ。
死ぬほど笑った。

3位は「グッド・オーメンズ」原作(+実写化スクリプトブック)。

グッド・オーメンズ 【上下 合本版】 (角川文庫)

The Quite Nice and Fairly Accurate Good Omens Script Book

あれだけ嵌っておいて3位かよ、という気もするんだけど、原作より実写の方が私は好きなので…。
原作って割とあっさりしてるんですよね。
もうちょっと、もうちょっとください!!みたいなところを実写でゲイマン先生が埋めてくれた感じ。
尤も、ゲイマン先生の著作は、これまでも個人的にもうちょい、もうちょい何かが欲しい!という感じだったので
この人は実写の脚本の方が向いているのでは…とちょっと思ったりもした。
いずれにせよ、読書量が少なくなった原因の残り3分の2はこの本のせいである。
ずっとグッド・オーメンズ(実写)観てはスクリプトブックで確認するというのを繰り返していたから!

「説教したがる男たち」レベッカ・ソルニット
マンスプレイニング(えらそうに女性に対してすぐに説明したがる男のこと)が広まるきっかけのひとつとなった著書。
ほんっと、男って女性に説明したがるし、女性が自分より詳しいとなると一気に機嫌を悪くするよね!!
というのを身をもって知っているので、マンスプレイニングとは良い言葉ができた(日本で広がるかどうかは別として)。
この本を男性も読んで(以下略)

「女ぎらい」上野千鶴子
正直言うと、読みきれなかった。
自分のこれまでの体験を追体験されているようでつらすぎた。
男性がこれを読んで(以下略)

私は理工系の研究職なので、男性にどれだけ理不尽な目に遭わされてきたかって話を始めると長くなる。

「私は英国王に給仕した」ボフミル・フラバル
去年?おととし?読んだ「あまりにも騒がしい孤独」が非常に素晴らしかったので、手に取ってみたが、これはちょっと好みとは合わなかった。残念

「カリ・モーラ」トマス・ハリス
まあ、「羊たちの沈黙」の続編は悲惨な結果になったけど、新しいシリーズだって言うし、読んでみるかな…
と思った私が間違いでした。
トマス・ハリス、変態すぎるし、下劣すぎてついていけない。
途中で放棄した。
誰にもオススメしない。

「白墨人形」C・J・チューダー
さらっと読める面白さで、読んだあとにすっかり忘れた。
スティーヴン・キングお好きな方向け。

「イラストでときめく片づけの魔法」近藤麻理恵
実用書を本に含めるかどうかはアレだけど、また散らかってきたので…そして挫折。

映画(映画館で鑑賞)

1位「ポケモン 名探偵ピカチュウ


『ポケモン 名探偵ピカチュウ』 予告編 (2019年)

2回観た。うっかり1位にしてしまう迫力があった。
ピカチュウがむちゃくちゃに可愛い上に、オチまで最高で、非のつけどころがなかった。
しかもビル・ナイ
ビル・ナイ

2位「リア王
これを映画に入れるか舞台に入れるかで迷ったんだけど、凄い衝撃を受けたという意味では1位で、舞台の映像だからという意味で2位にしました。
サー・イアンがロンドンで行った公演。
もう破壊的な迫力。
全部持っていかれる感が凄かった。
これを舞台で生で観たら私は立ち上がれないんじゃないだろうか。

3位「マイ・ジェネレーション」


映画『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』予告編(30秒)

マイケル・ケイン様が時空を駆けてロンドンを紹介してくれるという至れりつくせりの作品。
ロンドン大好きっこは観るしかない!

ボヘミアンラプソディ」でクィーンに嵌った人もぜひ。フレディの彼女が勤めていたブティックが紹介されています。

 

ザ・ファブル」x3
3階観た。それでも次点にしたのは、もう一歩、もう一歩お願いします!って感じだったから。
音楽もばっちり合ってて、アクションも最高で、それでもいまひとつだったのは、テンポ。
折角、岡田くん、福祉くんが揃ってアクションしてるのに、二人の動きの速さを活かしきれていない画面構成だった。
図書戦も1より2の方が断然良かったし、ファブルも続編作ってほしいなあ。

「ブレス」
メンタリストの主演俳優が監督・出演した映画ということで宣伝していたが、
私の目的はひとつ!
ロクス!リチャード・ロクスバーグサンクタムから超久々に日本公開される映画に出た!そこだ!!
たとえ、主人公の少年のお父さんという脇役であろうとも、この映画において一番の癒しキャラとして
君臨していたことは間違いないホワホワ。

あ、いい映画ですよ。ぜひ。(何も説明なしに勧める)
エリザベス・タブッキ様の美貌が光り輝いて眩しいから気をつけるように。

「グリーン・ブック」
ヴィゴ!かっこいい!妖精!なんかキラキラしたお粉が舞ってる!!
そんな感じの映画でした。

「ゴッズ・オウン・カントリー」
スパダリという言葉の意味を私はこの映画で初めて知ったように思う。
BL好きな人はぜひ。
私はBLあんまり好きじゃないけど、このスパダリは良かった。

ジョン・ウィック3」
2は面白かったんだけどな…まぐれか。
ともあれ、マークですよ。マーク・ダカスコスがまさかの参戦!!
ダレも敵うわけないって知ってるけど、
いつも悪役だから負けるってのも知ってる。
なぜだ。なぜ、ハリウッド映画はマークを悪役にしたがるのだ…(可愛いのに強いから?)
この映画で、認知度が爆上がりしたようなので、良いお仕事がマークに来ますように。
ところで、この脚本家は本当にこんな起承転結も何もあったもんじゃないとっちらかった話で良いと思ったのか?

おっさんずラブ
映画版、とても良かった。
すぐあとに、まったく違うパラレル設定として新たなドラマなぞ始めたが故に、なんとなく黒歴史になった。

アイネクライネナハトムジーク
ひどかった。

映画・ドラマ(DVD/TVで鑑賞)-少ないので順位なし。

恋するシェフの最強レシピ


『恋するシェフの最強レシピ』2018年9月5日(水)DVD発売/同日DVDレンタル開始

映画。タイトルは酷いが非常に面白かったので普通に勧めたい。
いけすかない金持ちグルメハンサム(金城武)が、どうしようもなくだらしない女子シェフが作る料理に魅せられてついでに恋にも落ちちゃうんだね、ということがタイトルの時点でわかりきっているのに、それでも面白いというのはたいしたものだと思うし、金城武の美貌がすべてを捻じ伏せる。

「MUTE」


Mute Trailer Teaser (2018) Netflix Sci-Fi Movie

ダンカン・ジョーンズ先生の第4作目の映画はネットフリックス映画になりました。
設定は一番最初に作った「月に囚われた男」と同じ世界観とのこと。
近未来世界で声を失った男が、いなくなった恋人を探して危険な世界に足を踏み入れる話。
基本的には家族とは何をもって家族と定義するのかという大きなテーマと、
ダンカン先生らしい悲惨な世界の優しさが沁みる映画でした。

白い巨塔
TVドラマ。
岡田准一が素晴らしかった。本当はコレ、かなり熱く語れるテーマだったんだけど、熱すぎて誰も乗ってきそうになかったので心の中だけにしておくことにした。
財前、マジでかわいそすぎて泣けた、とだけ。
だって無能が無能でほんと使えないんだもん!
中間管理職はつらい。

「Good Omens」


GOOD OMENS Official Trailer (2019) David Tennant

アマゾンプライム。6話完結。
30年前に出版されたテリー・プラチェットニール・ゲイマン共著の人気小説を映像化。
アマゾンプライムって金持ってるなあと唸らされるセット、衣装、そして俳優陣!
マイケル・シーン演じる天使とデヴィッド・テナント演じる悪魔が、
アルマゲドンを必至に阻止しようと奮闘するコメディラブストーリー。
だって、アルマゲドンが嫌な理由って、普段デートしている地球(というかロンドン)が
無くなるのが嫌だって建前で(建前もたいしたもんだが)、実際、自分たちが敵同士に
なっちゃうからだもんね。
ハピエンのロミジュリだから観たほうがいい。
ちなみにわたしの2019年は概ねコレで費やされたし、今もコレに消費されている。
尚、原作には無い、二人のいちゃいちゃシーンをしこたまゲイマン先生が脚本に書き込んでくれたおかげで
脚本の冗長な部分が削られ非常にタイトにラブストーリーに焦点があたった楽しい作品になっている。
#原作ファンに怒られそうな発言。

「特捜9」
寺尾に慣れてきたところでまさかの卒業。何でや!
ちょっと寂しい…でもまた春からよろしくね。
私、このシリーズ大好きなので、ずっと続けて欲しいなあ。

「ルパンの娘」
瀬戸くんが可愛いという理由で観はじめたらとんでもない傑作ドラマであった。
ふざけかたが半端ないので観たほうがいい。

漫画
巻数の無いものは最新刊の意

1位「三日月とネコ」ウオズミアミ

三日月とネコ 1 (トクマコミックス echoes)

最初、帯に書かれている年齢設定と女性x2+男性の同居という煽りで、
またかーと思って迷ったんだけど、絵が可愛いし気になって買ってみたら
これが物凄く良かった。
私はこの作品に救われた気がした。
丁度、長く付き合っていたガールフレンドに振られた(みたいな)
こともあって、本当にこの漫画に出会って良かったなあって。

2位「夢中さ、君に」和山やま

夢中さ、きみに。 (ビームコミックス)

爆笑。
何度読んでも笑いがこみ上げる不思議な間と凄い画力の猛攻撃。

3.「雪と松」(最終巻)高橋秀武

雪と松 3 (eyesコミックス)

可愛かったー!
この方の描かれるBLはすごく細やかで丁寧で好き。


乙嫁語り森薫
いつも可愛い。

「三月のライオン」羽海野チカ
無事に着地してほしい…

「ゴールデン・カムイ」野田サトル
アシリパさんがカッコ良すぎて惚れる。
今の推しは猿叫。同担可。

「波よ、聞いてくれ」沙村広明
飽きてきた。

「午前0時、キスしに来てよ」みきもと凜
あと1巻かー。寂しいなー。それにしても実写化キャスト(笑)
作者さんが思いっきりジャニモデルで描いてるのに、ザイルで実写化って。

「違国日記」ヤマシタトモコ
誰もが共感するであろう日常のエロさ。

「地獄楽」(1)(2)賀来ゆうじ
ありがち、つまんない。

「夫の扶養からぬけだしたい」ゆむい
そういうひともいるのねえという…私からすると想像外の話ですがこれが普通なのかな。
子供のときから母に「女、三千世界に家は無しと言う。手に職をつけなさい」
と育てられたので、夫の扶養に入ることを考えたことがない。
ちなみに私の両親は離婚していないし、別に仲が悪いわけでもない。念のため。
それでも専業になった母からしたら心許ないときがあったんだろうな。

「金のひつじ」(最終巻)尾崎かおり
救いのある優しいお話だった。また前のようなファンタジーも読みたいなーと思うけど
ともあれ、この作者さんが描かれるお話が好き。

ザ・ファブル」(1)~最新巻 南勝久
映画を観たので。
とても面白いけど、進みが遅いので、電子書籍

「秘密」清水玲子
主人公の性格がしつこい。

「その恋自販機で買えますか」吉井ハルアキ
可愛いBL

「レンタルなんもしない人」プクプク
勉強になった。

「Bite Maker」(1)~(3)杉山美和子
絵がかわいいのでつい読んでしまったが、驚くほど品が悪い(ので続きはいいや)

「路地裏ブラザーズ」(1)(2)石江久
絵がかわいい。

「七つ屋 志のぶの宝石匣」二ノ宮知子
面白いから早く!先を!読ませて!

CD
「Super Powers/Right Now」V6
Right Nowが最高すぎた。

「ある日願いが叶ったんだ/All For You」V6
歌唱力は元より、ダンスがどんどん進化していくV6.

「Prove you wrong」Sheril Crow feat. Stevie Nicks & Maren Morris
ティーヴィーのハスキーボイスが大好きなので新曲嬉しい。

「Nothing Compares 2 U」シニード・オコナー
グッド・オーメンズ観てたらこの曲を思い出したのでiTunesで単品買い

「And So We Shall Never Apart」Losers
「How to ruin other people's futures」Losers
コレ、長い話なんですけど、運命的なので書かせて。
ジェイムズ・スペイダー主演のドラマ「ブラックリスト」を時々チラ観してて、
あるエピソードで(どのシーズンかもわかんないんだけど)
BGMで流れた曲がすっごいカッコ良かったのね。
あまりにカッコいいので、サビの歌詞を覚えてググったら、
このLosersの2016年のアルバム「How to~」に入ってる「This is a war」だった。
で、Losersってバンド初めて聞いたから、誰よめちゃくちゃかっこいいんだけど
って調べたら、数年前にいきなり空中分解したクーパーテンプルクローズの
ヴォーカルのひとりが始めたバンドだったんですよ。
やった!久々!再開!!
クーパーのベンの方は追いかけてたんですけど、トムは追いかけてなかった。
いやー、嬉しいね。すごいカッコイイ~!!

「When we all fall asleep, where do we go?」Billie Eilish
カッコイイけど、個人的にはもっとロックな曲調を期待していたので、あれ、意外にポップだな、と。

ライヴ
なし。

なし!!!!!(号泣)

舞台


六本木歌舞伎「羅生門」3回
三宅くんが出るというので、初海老蔵歌舞伎に行ってきました。
結論から言うとすごく面白かった。アドリブもばんばん入るし、古典芸能としての歌舞伎にすごく入りやすい扉を作りましたよ、という感じ。
三宅くんはその歌舞伎と現代芝居のハザマで右往左往するいわば観客のアバターのようでもあり。
とはいえ卓越した運動神経で素晴らしい動きを見せてくれたのも流石。
3回観てもぜんぜん飽きなかったです。

「チキチキバンバン」
日本にいる外国人の方たちが主催する英語劇の劇団がありまして、それにイギリス人の友達がオーディションに受かって役をもらえたとのことで行ってきました。
これが非常に楽しかったです。
日本で演るんだけど、来てる人は当然海外の方が大多数。お友達の日本人もちょっといる感じ。
楽しい劇をみんなで盛り上がってエンジョイしようぜ!という、すごく暖かくって、幸せになれる舞台でした。

「クイーン・エリザベス - 輝ける王冠と秘められし愛」
長野くんが、大地真央様演じるエリザベスの恋人を演じるということで…すっげエロ。本気の博、ロイヤルエロスすごい。

「One Man Standing 2」
坂本くんのソロコンサート第二弾。
第一弾で、どうも演出家がとっちらかってて、ウーン、ってなってたんですけど、同じ演出家。
今回は更にとっちらかっちゃって…
普通に坂本くんがミュージカルナンバーを歌い上げればいいのに、なんで余計なことしちゃうのかな?という感じ。
あ、今回はミュージカルに限定しないで女性の歌う曲ってのがテーマだったんだ。
でもそれも中途半端な曲数でねえ。
しかもグレイテストショーマンやったのはいいけど、なんでThis Is Meを坂本くんじゃなくてバックメンバーが歌ってしまうんだという。どういう演出なんだ。
ちなみに、バックメンバーの方がSNSで自分たちの歌になるとトイレに立ってしまう方がいると愚痴っておられましたが、そういうものです。冷たいようですが、我々、坂本くんにお金払っているので。
第三弾も是非やってほしいけど、演出家は変えてくれ。

「カノハライノサガモノラ」x2
トニセンの摩訶不思議ファンタジー舞台。
くも!あめ!と叫ぶ被り物つき長野くんのコメディセンスがピカイチだった。
あと、歌可愛い。
トニセンアイドルすぎる。

展示会
岡上淑子 沈黙の奇蹟」@東京都庭園美術館
シュールレアリズム系のコラージュ作家さん。
この展覧会に行くまでは存じ上げなかったんですが、実に美しかった。
残念ながらご結婚されたのちは、非常に落ち着いた絵を描かれるようになってしまって、それはそれで幸せだったかと思うのですが、尖ったコラージュが失われたのは残念だなあ。

「ラファエル前派の軌跡展」@三菱一号館美術館
品揃えはまあまあ…だけどさ!なんで一番いい絵を置いてあるスペースで撮影許可出しちゃったの?
シャッター音がうるせえ、うるせえ。
私はこれ以降、音楽を聴きながら美術館を見ることにした。
てかさ、写真に撮るために来てるんだったらさ、ネットに転がってるからそっちで観ればいいんじゃない?

「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」@東京ステーションギャラリー
シャッター音が(以下略)
タイルがここまで美しくモノを自在に形作るということに感激した。
特に後年の作品、細かいタイルが作り出す解像度を自在にあやつったデジタル画像のような世界には本当に驚いた。

ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―」@パナソニック留美術館
小さな美術館なんだけどけっこう良い美術展をやってくれるんですよね、ここ。
モロー展もうっかりどこだっけ、前回、上野?忘れたけど、そっちでやったときより品揃えが良かったように思う。
モローは何度観ても宝石みたいに発光していて不思議。

「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン展」@三菱一号館美術館
プリーツの魔術師、服飾デザイナーであり、舞台装置デザイナーであり、絵画もやるというマルチな才能のフォルチュニの展示会。
多岐にわたる作品が非常に美しく、面白かった。

総じて読書が非常に少ない一年になってしまったので、2020年は読書に力入れたいです。良い本との出会いがあるといいなァ。

展示会はけっこう行けましたね。三菱一号館美術館のサブスク(?)したのもあって、すごく行き易くなったのかな。

デヴィッド・テナント祭り~BROADCHURCHシーズン1(2013)シーズン2(2015)


Broadchurch Official Trailer HD

取り敢えず日本で字幕版が観られるS1、S2のみ観ました。
S3は日本語字幕ついてないので、イギリスからDVDを手に入れて未見ですが、自信を持って言えます。

私、テナントのスコティッシュ英語、ひとつも聞き取れない(ぜつぼう)

というわけで、S1,S2のみご紹介と感想。
尚、真面目な解説っつーの、違うな、えーっと考察か、そういうのをやる気はいつもどおり皆無です。

==あらすじ(ほぼネタバレなし)==
ブロードチャーチという海辺の観光地で、地元の11歳の男の子が殺害される。
捜査に当たるのは転任してきたばかりの刑事アレック・ハーディと地元の刑事エリー・ミラー。
誰もが顔見知りの小さな町で、住民たちがひた隠しにしてきた秘密が次々と暴かれていく一方で、
アレックも秘密を抱えていた。その秘密とは…

ザ・体調不良!!(両手を挙げて万歳)

シーズン2ではシーズン1で暴かれた犯人の裁判を軸にしつつ、アレックがブロードチャーチに赴任する前、サンドブロックで担当していた未解決事件を描く。
==================

兎に角、全編とおして映像が美しい。アレックが美しい。映像が美しいので、是非観て欲しい。
エゲレスの底力っていうか、モブキャラすらイケメンというのも強い。
しかしそこにスッと立って、ひときわ美しいのがテナント演じるアレック・ハーディなんですよ。
細い。
もともと細いテナントが更に細い。
ガラス細工みたいな刑事で、こんな刑事が家に来たら、犯人じゃなくても挙動不審になるわ!

ブロードチャーチってのがまた風光明媚な場所で、
海辺の観光地
という字面からおよそ想像できる場所ではないわけ。
灰色の空。
灰色の海。
夏なんだろうけどすげえ寒そう(サメはいなさそう)。
そして雨。
雨につぐ雨。
そこに持ってきて不安をかきたてる断崖絶壁がなぜかビーチ沿いに聳え立つ禍々しさ。
エリー、ここ怖いヨー!!

エリーって相棒になる刑事なんですけど、すごい、いいキャラなんですよ。
おかんキャラ。

この美しくも禍々しい物語に唯一のほっこりを誘うエリー・ミラー。
いつも浜辺の風で髪の毛ぼっさぼっさにさせて、革のかばんをたすきがけにしているエリー・ミラー。
アレックに何くれとなく世話を焼きつつ、全部拒絶され、拒絶されて尚、世話を焼いてしまう自分にうんざりしているエリー・ミラー。

いい。物凄く、いい。

そんなエリーに超嫌な顔しか見せないアレックが(尤も誰に対しても嫌な顔しかしねえ)だんだん何となく慣れていくのもみどころ。
慣れていって、ツンデレどころかツンしかねえアレックが、デレのデの字を出した瞬間に、エリーに超嫌がられるのが、心に、心の奥深くに沁みるね…沁みるよ…私、それ大好物だよ…

みんな、アレックをもっとぞんざいに扱って!!(正しいファンの心の叫び)

そんな劣情を煽るアレック・ハーディが心臓おさえながら(マジで)頑張るS1はアマプラで観られるよ!
ストーリーも素晴らしく、丁寧に作ってある良ドラマです。ぜひ!

以下、ネタバレ。ちょっと改行するね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒頭、謎のシークエンスから始まるダニーの死体が見つかるところと、他所から来た刑事が一見ほのぼのとした街の暗い秘密を暴いていくところなんかは、ツインピークスを彷彿とさせるんだけど、不条理は一切無いのね。
アメリカでは不条理って言われるブツが、イギリスでは、えーっとそういうこともあるんじゃない?くらいのオカルトとして取り扱われる。さすが、幽霊が住んでいる城はお値段があがるお国柄だぜ。

アレック・ハーディは警部補として他所から来るんだけど、それは本当だったらエリーがもらうはずだったポジションで、それを他所で不祥事起こして飛ばされた刑事が奪っちゃうっていう…それ超むかつかない?ってシチュなんだけど、エリーがことあるごとに、「私のポジション掠め取りやがってこの野朗」ってアレックに言うので、観ているこちらはスカッとする。そうだ、もっと言ってやってくれ!アレックを責めてやって!(おかしな方向に)

当のアレックは心臓ボロボロでペースメーカー入れないとお前死ぬし、でも手術に耐えられるかどーかわかんないよ、って言われるくらいの状態なので、弱りまくってるんですよ。
これがもうS1全編通して素晴らしい。
弱り方が、その映し方が、美しい。
最初はエリーが淹れてくれたコーヒー要らねって言って(イヤイヤ期)、自分だけ紅茶飲むところで、ぐわんぐわん来て、トイレ駆け込んで薬飲んでハァハァするとこからスタート切るんだけど、こっちも気持ちがスタート切っちゃったよね。
そう来るんだ!身体弱ってるんだ!って。

この時点では、心臓ってわからないんですけどね。

あとで元の街のお医者さん(?)が、仕事やめないと死ぬぞーって言いに来るんですけど、えー、もう別に死んでもいいんだーって諦観してるアレックの美しさたるや、おかしい。
灰色の海に向けた眼の色の明るい茶色がすごい綺麗、何それ、宝石?
お医者さんも、あー、またイヤイヤ期かーって感じで帰っちゃうんだけど、そうね、なんか、押しても駄目なら引いてみろって感じよね、って共感している間にエリーが押しまくる。

うちにご飯食べに来る?のくだりはこのシーズン1で最高の見所。
物凄く嫌な顔で誘うエリーと物凄く嫌な顔で承諾するアレックのやり取りが本当に可愛い。
こっちだって誘いたくないんですって言っちゃうエリー最高。
何もって行っていいかわからなくて花束とワインとチョコ抱えておうちに行くアレック…さすがイギリス、わかってる。細い可愛い子には山ほど荷物持たせるといいってわかってる!!(しかもお花)

で、はしゃぎすぎて、帰りに不整脈
ホテル入るところで不整脈
部屋に転がり込んで薬飲もうとしたらまさかの殻しかない。中身ない。
え!おまえ、この状態で、薬の残量確認してなかったの!?(笑顔)

このシーンの鏡に映るアレックの顔の美しさ半端ない。
鼻のラインが骨の形くっきり出してて、しかもそれ超険しい山脈みたいじゃん。誰もその上に立てない薄さじゃん。
っていうか、倒れ方ー!倒れ方が最高ですー!!

ザ・脆性破壊。

倒れこんだバスルームの床によく収まりきったな、っていうアレックの長い脚の形がいい。
監督はよくわかってる。どこをどう映したらいいかわかってる。
倒れた身体を舐めるように映して、頭の下から血が広がるところまで…。
ちょっと、待って、ブロードチャーチの犯人がわかる前に、アレックの心臓よりこっちの心臓がばくばくしすぎて死にそう(危)

しかも救急車…救急車シーンきました。
視聴者(私)、息も絶え絶え。やばい、大好き、その酸素マスク。
しかも血痕~!たくさん血痕~!

血痕のひとつひとつをガン観したうえ、ついリピってしまう視聴者(私)
えー、もうやだー、このドラマ最高なんじゃない?先に進まない!(落ち着いて)

この辺でお気づきのことと思いますが、私、失神と怪我の話しかしないよ。

でね!また病院での目覚めがいいんだ。
テナントの眼が大きいから、目蓋がゆっくり開くときの時間が長い。
目蓋が眼球上でホバリングしてる感じかな!
あけてもあけても、まだ、おめめだよ。

ちなみに怪我は後頭部の下、耳の後ろあたりでした。
…ふーん、その辺の怪我、初めて見た。

もちろんエリーにすぐに見咎められて、ナニその怪我って言われるんだけど、
私、同僚のそんなとこ見たことないわ。
あ、でも、同僚がテナントだったら見るわ。
そうだね、そうだ(納得)

というか、ガーゼも何もあててないとは無防備この上ないね(いい)

心臓疾患以外にも、前の街での失態のことをジャーナリストから攻められたり、
街の人たちの暴走でかわいそうなおじいちゃん自殺しちゃったり、
いろんなことが起きるたびに、ポキッと折れちゃいそうな顔をするアレック。
苦悩するアレック。
今、その砂浜に崩折れてもおかしくない!って風情なので、観てるこっちが不整脈
アレック、た、倒れこんでもいいのよ?海とか、砂浜とか、ノッパラとか(好きな順で言ってみた)

でもアレックが倒れ込みかけるのは、葬儀後の飲み(向こうで何て言うのかな)中、室内なのでした。
倒れそうになって長い脚を伸ばしてぎりぎりでバランス取るアレック。
そのポーズは思いつかなかったわー。それ、最高だわー(感謝)

ハンサムがガクッとかなるのってやっぱ夢じゃないですか。
夢ですよね。夢です。
夢をかなえまくるドラマだよ、コレ。

しかも周囲の人が酔っ払ってよろけたとしか思わないところが不憫で…良きかなー、良きかなー。

事件解決の糸口が思うように掴めず焦るアレックがみんな帰ったあとの警察署で
苦悩して心臓おさえて床に座り込むのも良かった…!(反芻)
あの長いおみ足を投げ出して座り込んで、小さな顔を大きな手で包み込んで、
半泣きの顔を見せるとか、もう、イギリスは、どれだけ、素晴らしい国なんだ!?

いいなあ、あたしもオフィスにああいう苦悩ハンサム欲しい。

そして最大の見せ場は、犯人追いかけて心臓酷使しすぎて倒れちゃうところ!
すっごい声あげて倒れるのね。
地面を痛みでのたうちまわるのね。
しかも焦点があってない眼とかやっちゃうのね!

リピりました(進まない)。

なんかすごいものを見た……。
スーツだし、ネクタイをエリーが緩めて、死なないでよとか叫ぶとこに至っては、
やばい、これ、私の妄想じゃなくて本当にエゲレスのドラマなの?
エゲレスって夢なの?妄想でできてるの?

そんな視聴者とハーディに叩きつけるようにエリーの怒りの葡萄(1パック)。

え?なんで?葡萄?

「コレで喉詰まらせればいい!」

エリーに恋に落ちそうになった(感涙)。
今まで聞いたこともない罵倒の種類。
マニアごころをくすぐる(ニッチ)。

しかもね、字幕だと「自殺する気?」になってるけどね、
「死ぬとこだったのよ!」
って言ってるんですよ…パワーワード来たー!

もうさ、犯人とかどうでもいいからハーディの快復だけで1エピソード使ってもいいから!
なんて思ってしまうのはまだ甘かった。
たたみかけるように、

自ら体中に張られたセンサ類を外してお洋服着て病院脱出するハーディ。
警察署行ってエリーに罵倒されながら「死んでもいい」とか言っちゃうハーディ。
でも歩けないから廊下の壁ずってたりしちゃうハーディ。
ドアハンドル掴み損ねてドアにぶち当たるハーディ。

こ、こんなにサービスしていただいても、もう、私、いっぱいいっぱいで(息切れ)

えー!!犯人その人ー!!??

っていう感じです(シーズン1のざっくりとした感想)。
ちなみにシーズン1のメイキング観たら、役者さん全員、誰が犯人だか最後まで知らなかったそうです。
すなわち、自分が犯人かも、って思ってたし、こいつが犯人かも、とも思っていたとのことで
なるほど、それでこの異常な緊張感。

そしてシーズン2.
非常に残念なお知らせがあります。
これだけ明確にハーディの失神を打ち出してくれたシーズン1に反して、
シーズン2には一切、ハーディの失神はありません!

しかし、そこはやっぱりね、シーズン2でダニーの事件の裁判と、
アレックが前の町で犯人をとらえられなかったサンドブルック事件を
並列で進めて行くというハラハラドキドキな展開に、以下のサービスシーンが
盛り込まれております。

・ハーディが海辺に自分のおうちを持つ。水色の!おうちを!(S2って私生活が
知りたくなるフェイズだよね)

・ハーディがハーディより背の高い男に(あいつ190くらいあるよね)倒されて
胸を踏みつけられる(薄い本じゃないのに!)

・ハーディのペースメーカー手術シーンがある!(目覚めるときの美しさよ)

・手術後すっかりおとなしくなったハーディの海辺ウトウトシーンと、
ベッドでウトウトシーンがある!

要するにテンコモリです。ありがとうございました。ありがとうございました。

尚、個人的にS2はシャーロット・ランプリング様が登場したうえに、
実はローカル誌の女性編集長と長い恋を実らせるという非常においしいシーンが
含まれていたので、それも神!神なんじゃないの!?と思いました。
キスシーンが美しかった…。

以上、まとめると、
シーズン1って家族とは何か、血の繋がりとは何か、人間の本質とは何かを問いかける作品だったと思います。
シーズン2は贖罪。罪とは何か、罪を購うとは何かを問いかける作品ですね。
これだけ騒いでおいてなんですが、非常に誠実にテーマに取り組んでいる、サスペンスというよりは純文学に近い深さのある作品でしたね。

シーズン3はこれから観ます。

あ!イギリス版のブロードチャーチDVDボックス買ったんですけど、
シーズン1はビハインドシーン、2は削除シーンとメイキング、キャストインタビュー、テナントアウトテイク、3は削除シーンとメイキングがついてました。
シーズン1のビハインドシーンしかまだ観てないんですが、けっこういいです。
笑顔だから!
アレックがエリーに笑顔だから!!(本編では皆無です)