ラブ・アクチュアリー(2003)を2021年に初めて観てしまった感想
Disgusting
のひとことに尽きる。
2003年当時に観れば
just boring
だったかもしれないが、2021年の今は、
So disgusting
なぜならあまりにも男性と女性の年の差がありすぎるから。
内容はひたすら恋愛。
恋愛のことしか考えてない登場人物たちがどたばたしまくるオムニバスを更に細かく砕いて混ぜて、英国って狭いんですねえというくらい全員を同じ場所に集める構成で、なんだこれ。
構成はありきたりで強引、ストーリーは無いようなもの。
しかも、男女の年の差が本当にひどい。
思い込みでないことを確認するため、ちゃんと調べてみました。
以下、俳優陣の生まれ年を列挙します(カッコ内は公開当時の年齢)
※当ブログに出てきそうな俳優のみ俳優名
コリン:1960年(43歳)ー恋の相手:1976年(27歳)
マーティン:1971年(34歳)ー恋の相手:1977年(28歳)
夫:1977年(26歳)ーキーラ:1985年(18歳)
夫の友達:1973年(30歳)ーキーラ:1985年(18歳)
ヒュー:1960年(43歳)ー恋の相手:1976年(27歳)
アラン:1946年(57歳)ーエマ・トンプソン:1959年(49歳)
アラン:1946年(57歳)ー恋の相手:1971年(32歳)
ロドリゴ:1975年(28歳)ー恋の相手:1964年(38歳)
唯一、マーティンのカップルのみ6歳差に収まっているが、アランに至っては25歳差、キーラは公開当時18歳だということを考えると8歳差と12歳差でも十二分に気持ちが悪い。
また、唯一、女性の方が9歳年上のロドリゴのカップルは、この作品の中で(横恋慕以外に)上手くいかないこれまた唯一のカップルでもある。
なぜ男性は年取っても恋をしていいのだろう。
なぜ女性は若くなければ恋の相手に値しないのだろう。
そして、なぜ馬鹿でエロい女が成功のトロフィーなのだろう(ラストのアメリカから彼女を連れ帰ってくる男の阿呆面を観ると泣けてくる。全女性に対する侮辱に満ち溢れたシーンだ)。
ここ数年の女性の権利を求める運動のなかで、女性俳優がある年齢に達すると仕事が来なくなることに対して抗議の声を挙げているが、この映画を観ると、非常に明確にそれが見える。
たぶん、2003年に観たら、うわあ、くらいだったのが、2021年にはうええええ。
これに気付ける世の中になっているのは、数少ない現代社会の良いところなのかもしれない。
楽しめるシーンとしては、
1)英国人が水に飛び込むというホラーシーン(泳げない人が多い)
2)ヒュー・グラントによるサイモン・ル・ボンと同類センスのダンス
3)アラン・リックマンの声(素晴らしい)
4)全編に満ち溢れる英国らしい皮肉の数々
くらいで、
いや、本当のことを言えば、
ビル・ナイが最高だった。
いつもビル・ナイは最高だけど、特にこのどうしようもない映画の中で、2021年になっても変わらず光り輝いていた。
どーしようもない曲を自分でののしりながら歌い、
どれだけ自分がみっともないことをしているか承知で歌い、
金のために踊り、脱ぎ、暴れ、自分で自分に腹を立てる。
この映画の中で唯一まともなキャラ。
このキャラができるのはビル・ナイだけ。
ビル・ナイ最高!
あとロドリゴ観るならこっち観た方が断然いい。
バズ・ラーマン監督ニコール・キッドマンのシャネルCM
ともあれ、この映画観るくらいなら「ラブ・ファクトリー」という素晴らしい映画があるので、そちらをオススメしたい。
原題は全く違う(The One and Only)のに、日本の優秀な広告屋が「ラブ・アクチュアリー」と間違えて観る人がいるのでは?という通常運行の馬鹿思考でつけた邦題ですが、中身は相当にぶっとんだコメディでありつつ考えさせられるところもありつつの良作となっております。
出演もオーストラリアの秘宝じゃなかった至宝リチャード・ロクスバーグ主演、パッツィ・ケンジット共演と豪華でございます。