デヴィッド・テナント祭り~DES (2020)
デス デス
とアマプラ画面には表示されていて面食らったのですが、正しくは、
デズ です
1980年前後の5年間のあいだに15名もの人を殺害した実在のシリアル・キラー、デニス・ニルセン(通称デズ)の逮捕されてから判決が下るまでの物語をTVドラマ化。
全3話。
被害者はホームレスやヤク中など、誰にも探されないような若者ばかりだったため、発覚が遅れ、しかも15名のうち殆どが身元不明のままとなったイギリスでは有名な事件とのこと。
デズがネクロフィリアであることもあって、スキャンダラスにしようと思えばいくらでもスキャンダラスにできるドラマを、いっさいの残虐描写なしに、取調べをする刑事と伝記作家の二人とのやりとりから、デズの人間性の恐ろしさを描写するドラマに徹した製作陣に拍手。
デニス・ニルセンという人間の怖さ、色々な思惑からうっかり近付いてしまった二人が知る闇の深さに、ぞくっとくるドラマです。
人としての感覚、後悔だとか良心だとか、そういった感覚が完全に欠落しているニルセンの言葉、行動のすべてが普通の人間からすると理解の範疇からずれていて、最初は気付かないそのずれがだんだん積み重なっていくことで生じる不快感と不安感のリアルさ。
というわけで、テナント祭ながらふざけたことが全く言えませんが、とても良い真理サスペンスなのでおすすめ。
テナン度 ★★★★★ テナントだからこそ可能なカメレオンぶり
恐怖度 ★★★★★ テナント作品で今のとこ一番怖いテナ
尚、底本となった小説「死体と暮らすひとりの部屋」は現在、手に入らないのが残念なところですが、ドラマ内でも同タイトルのまま言及されており、邦訳タイトルだと多少会話に違和感を感じるので、原題「Killing for Company」を知っていた方がいいかもです。
実際のニルセンの写真付の記事(左はテナント!)
なるほど、ブロードチャーチの脚本さんか!上手なわけだ!
こちら↓はメイキングなので鑑賞後にどうぞ。
いかにテナントがテナントでなかったかって話もしてます。
The Making Of Des | Behind The Scenes with David Tennant, Daniel Mays & Jason Watkins | ITV